その世界につながる「穴」はあらゆる場所にある

のこ
のこ

こちらは同じ英会話スクールに

通っていたメンバーが

旅先で出会った不思議な出来事を

語る物語よ。

ぬこ
ぬこ

不思議な話?幽霊とか

出てきちゃうカンジ?

のこ
のこ

そうね。そうした怪談のような

雰囲気のお話もあるけれど

どの話にも共通したモチーフが

出てくるの。

ぬこ
ぬこ

なるほど。それが物語の

重要な鍵になるってわけだな。

『夜行』 森見 登美彦 (著) 小学館文庫

あらすじ

十年前、同じ英会話スクールに通う6人の中まで鞍馬の火祭にでかけ、その夜、長谷川さんは姿を消した。

十年ぶりに集まり、火祭に行くことになった夜、それぞれが旅先で出会った不思議な出来事を語る。

そして全員が道中で同じ銅版画家の描いた「夜行」という連作絵画を目にしていた。

様子がおかしくなり、出ていった妻に会いにでかけた尾道での出来事、先輩カップルと彼女の妹との四人のドライブの途中で奇妙な中年女性を乗せた奥飛騨など、怪談じみた、それでいて惹きつけられる物語たち。

全員に共通しているのは「夜行」という、訪れた景色の中に顔のない女性が手をふっている連作の絵画。

この女性は誰を描いたものなのか。

まとめ

現実との境目が曖昧になり、ふとした瞬間にスイッチが切り替わり、全く別の世界へと連れて行かれたような感覚を覚えます。

そうした穴はあちこちに開いているのだと感じる幻想的で怖くて魅力的な物語です。

<こんな人におすすめ>

ファンタジーと怪談が混ざったような話を読みたい
恐ろしくもあるが美しい情景を描いた話に興味がある
森見 登美彦のファン

ぬこ
ぬこ

怖いような、でもこんな世界が

口を開けていたらスッと入って

しまいそうな、なんとも不思議な

味わい。

のこ
のこ

ふとした瞬間に異世界へと

紛れ込んでしまうことが

ある。そんなことを感じる

物語ね。

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