こちらはミステリーや
ファンタジーなど、多彩なジャンルで
物語を楽しめる一冊よ。
有栖川有栖といえばミステリーだよな。
探偵ものとか、密室殺人とか。
こちらは短編や中編を収録。
ミステリーはもちろん、タイポグラフィに
よる表現など、あらゆる視点で物語を
楽しめる構成になっているの。
へえ〜!そいつは興味深いな!!
『こうして誰もいなくなった』
有栖川 有栖 (著)角川文庫
あらすじ
仮想通貨で巨万の富を得た謎の大富豪・デンスケにより海賊島へ招待された10人の男女が連続殺人事件に巻き込まれた(「こうして誰もいなくなった」)。
また、鉄道に関連した不思議な世界に迷い込む少女が冒険に挑んでいく(「線路の国のアリス」)。
「僕は読書なんかしないよ」と発言する書店店長が、店で起こる謎を鮮やかに解き明かす(「本と謎の日々」)など、多彩なジャンルで物語の魅力を堪能できる作品集。
新解釈で描かれるクリスティのあの名作
謎の人物によって無人島に招待された人たちが次々と殺されていく。
クリスティの名作「そして誰もいなくなった」。
これをパロディ化し、独自の解釈を加えた本作では、舞台を現代の日本に設定。
登場人物たちの過去やお互いを疑う様子、恐怖から起こす行動などの緊迫した空気は原作そのままに、そしてその結末は軽業がバシッと決まったような見事な着地感です(「こうして誰もいなくなった」)。
ココ駅にドコカ行き、不通(ふつう)列車に阿弥陀線…と奇妙な鉄道の世界に迷い込んだ少女・アリス。
「不思議の国のアリス」を鉄道世界でパロディ化した本作は、言葉遊びや文字配置の妙などユーモアと遊び心に満ちた、楽しいファンタジーです(「線路の国のアリス」)。
まとめ
軽妙、重厚、ミステリーにファンタジーなどジャンルもテイストも様々に楽しめる14の作品集。
かつて出会った物語が有栖川氏によって生まれ変わった姿で再読できる。
そんな喜びを味わえる一冊です。
<こんな人におすすめ>
名作をパロディ化した作品に興味がある
ミステリーやファンタジーなど幅広いジャンルで物語を楽しみたい
有栖川 有栖のファン
名作の数々もこの作家の手にかかると
奇妙でユーモア溢れる、そしてピリッと
スパイスを効かせたような仕上がりに
なるんだな。
オリジナル作品を読んで比較すると
よりいっそう楽しめるかもしれないわね。
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