こちらは書物が存在しない世界で
本との出会いや、旅先で会話を交わした
少女との関係、異国での冒険を通して
成長していく少年の姿を描いた
壮大なファンタジーよ。
へええ。本がない世界かあ。
それって目の前で起こる出来事が
全てだよな。
そうね。主人公は書物のある国から
やってきた外国人の家庭教師から
文字を教わり、本の魅力を知るの。
父親の仕事を継いで異国へ向かうのだけど
様々な困難が彼を襲うのよ。
本が読めるようになる喜び!!
それってどんな風なんだろうなあ。
主人公に起こる困難てのもどんなのか
気になるな。
『図書館島』
ソフィア・サマター (著), 市田 泉 (翻訳)創元推理文庫
あらすじ
文字を持たない小さな島で、豊かな農園を営む家で生まれ育った少年、ジェヴィック。
ある日父が連れてきた外国人・ルンレを家庭教師に異国の言語を学び、書物に夢中になる。
島で採れた胡椒を売るために船に乗ったジェヴィックは不治の病に冒された娘・ジサヴェトと出会ったために彼の運命は大きく動き出す。
夜ごと現れる幽霊が訴える事とは
紅茶諸島のティニマヴェト島で、広大な胡椒農園を営む父は、港町のベインからジェヴィックの家庭教師となるルンレ先生を連れてきました。
文字を持たない環境で育ったジェヴィックは異国の言葉や、その言葉で描かれた本の世界にのめりこみます。
父の後を継ぎ、はじめて故郷を出たジェヴィックは、船の中でジサヴェトという赤い髪をした少女に出会います。
言葉を交わし、詩を読んでやり、別れを告げたのですが…。
港町、ベインに着いたジェヴィックは祭りを見たあたりから幽霊が夜ごと現れるようになります。
それは旅先で亡くなり、火葬されることなく土葬されてしまったために魂がさまようことになってしまったジサヴェトでした。
死者が見えることで司祭に幽閉されてからも現れるジサヴェト。
彼女の要望は「私の物語を書いて」というものでした。
まとめ
田舎で育った書物好きの青年、ジェヴィックは不治の病に冒されながらも勝気な態度を崩さないジサヴェトにとりつかれ、恐怖の日々を過ごしています。
一方で天使が見える人間として幽閉されたり、逆に救い出され崇められることも。
大きな国の中、相反する価値観の中でジェヴィックが苦しみながらも成長していく、壮大なファンタジーです。
<こんな人におすすめ>
本が存在しいない世界で起こる冒険を描いた物語に興味がある
言葉が持つ力を描いた話を読んでみたい
言葉に対して新しい価値観を与えてくれるような話を読んでみたい
状況に振り回されっ放しだった
ジェヴィックが後半で変わって
いく姿に感動するなあ( ;∀;)
本や言葉の力を改めて感じさせて
くれる、何度も読みたくなる
物語ね。
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