こちらは「しゃばけ」シリーズの
外伝よ。妖たちが、なんと草双紙の
中に迷い込んでしまうの。
草双紙?それっておとぎ話とか?
まあ妖たちなら人間でもないから
なんとかなるんじゃないの?
彼らが迷い込んだのは「桃太郎」の
世界。ところが、なんだか知っている
お話と様子が異なるの。
ほほう。よく聞く『桃太郎』と
違う点があるのか?それは
気になるな!!
『またあおう』畠中恵 (著)新潮文庫
あらすじ
江戸は日本橋の大店、長崎屋の跡取り息子である一太郎は病弱で、今日も床に臥している。
そんな若だんなに代わって、妖である貧乏神の金次と付喪神の屏風のぞきが、主である藤兵衛のお供をすることに。
趣味人が集まり、面白い書や巻物、絵を見せ合うその会合で、いくつかの絵巻や草双紙を持ち帰ることになったのだが…。
気が付けばそこは「桃太郎」の世界だった
古い品々が集まり、その中には付喪神となったものもありました。
やがて天候が悪化し、雨風が吹き込み、書たちは濡れた状態に。
修復のやり方次第では付喪神にとって大変なことになってしまう、と金次と屏風のぞきが持ち帰って修復を試みることに。
何とか修繕を終え、片付け始めると、草双紙の中からにゅっと手が出てきて、妖たちを引きずり込んだのです。
金次、屏風のぞき、鈴彦姫、馬久におしろの面々は、どうやら草双紙の中、「桃太郎」の世界に入り込んでしまったようです。
しかし鬼の姿は見えず、桃太郎も、犬・雉・猿もちらりと姿を見せたと思うとまた消えてしまいます。
おまけに現地の農民たちから鬼扱いされてしまい、妖たちは戸惑うのですが…。
まとめ
鬼が不在、知っている桃太郎の話と異なる違和感。
若だんながいない中、妖たちで頭をひねり、推理していきます。
今回の5つのお話は、妖たちや興徳寺の僧らが活躍します。
妖といえども己の未熟な部分を認め、その上で対処を考えたり、人と妖の絆にほっこりとしたり。
江戸の妖たちとの日々を存分に楽しめる「しゃばけ」シリーズ外伝です。
<こんな人におすすめ>
妖たちが昔話の物語の中に迷い込む話を読んでみたい
「しゃばけ」シリーズのファン
畠中恵のファン
ドキドキヒヤヒヤさせといて
ほっこり!だからしゃばけシリーズは
やめられないんだよな。
キャラクターたちも多彩で
どのメンバーを主役にしても
楽しめるところが素晴らしいわね。
『しゃばけ』シリーズのイラストブックレビューはこちらからもご覧いただけます。
20周年記念スペシャルアニメ「しゃばけ」です。
いろんなお話のダイジェスト版。ああ!あの話だっ あのシーンかあ…
と思い出してジーンときてしまいました。アニメもいいですね。
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