こちらは厳しい状況の中で
生きる人々が不思議な縁で
つながっていくお話よ。
ほほう。例えばどんな
奴らが出てくるんだ?
末期ガンの闇金女社長、自らの
借金で全てを失くした闇金取立ての男、
四肢の動かせない車椅子の男、などね。
な、なんだかすごいメンツなんだが…。
こいつらがどうやって関わり合っていくのか
想像もつかんなあ。気になるぜ。
『熟れた月』 宇佐美 まこと (著)光文社文庫
あらすじ
陸上部の先輩にあこがれている高校生の結。
借金を重ねて何もかもを失い、闇金の取り立てをしている乾。
がんで余命半年の宣告を受けた乾の雇い主、マキ子。
四肢の動かせない、車椅子に乗った博。
どん底に生きる彼らの生き様と、不思議な縁を描く。
どん底に生きる人々がつながっていく不思議な縁
高校生の結は、陸上部のエース・阿久津先輩に片思い。
話しかける勇気もなく、メル友のKenに悩みを相談したりしていました。
ある日、結のバイト先であるファミレスに、先輩の母親がやってきます。
勇気を出して話しかけた結に、先輩の母親はある伝言を息子に伝えてほしい、と言いました。
メッセージを伝えようとする結ですが…。
闇金業を営むマキ子はガンによる余命宣告を受けました。
病院近くの公園で、車椅子に乗った身体が不自由な青年に、これまでの自分の人生を語って聞かせます。
マキ子の営む闇金の取り立てをしている乾は、自分の人生が転落しはじめたのはいつだったかと振り返ります。
母親が情夫を刺し殺した罪で逮捕された時か、それともライバルである友人の境遇を妬んでいた時か…。
あるタイミングで耳にした言葉が、不思議な縁で彼らをつないでいくのです。
まとめ
望みなんてないような状況の中で生きてきた彼らは、人間を信じ、裏切られ、そして裏切ってきました。
それでもどこかで人を信じたいと願う彼らが、ある言葉や人物との出会いをきっかけに、堅い殻を破るように変わっていきます。
どのように話がつながるか、のミステリー要素を含みつつ、苦しい状況で生きる人間の生き様と「救い」を描く、深い余韻を残す物語です。
<こんな人におすすめ>
底辺であえぐ人々がどこかでつながる奇跡を描いた話を読んでみたい
お金と人間の関係を深く描いた話に興味がある
宇佐美 まことのファン
どわああああ。 ・゚・(ノД`)・゚・。
泣けるううううぅううう
すべてがつながった瞬間、
言葉にできないような衝撃と
感動に胸を突き動かされる物語ね。
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