こちらは主人と使用人しか住んでいない
島に招かれた男女が次々と命を落としていく
連続殺人事件とその謎を解くミステリーよ。
おお〜 孤島で起こる殺人事件!
集まったのはどんな奴らなんだ?
そして探偵役は?
かつてこの島に住んでいたことのある
男女四人がこの島で亡くなった女性を偲ぶ
目的でやってきたの。それを取材するために
出版社の準社員・鳥有と彼の知人である
女子高生の桐璃が事件を調べていくの。
ふむふむ。どんな方法で彼らは
殺されていくのか。その犯人と
動機についても気になるな!!
『夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版 』
麻耶雄嵩 (著) 講談社文庫
あらすじ
出版社で働く如月烏有は、女子高生の舞奈桐璃とともに雑誌の取材のために和音島へとやってきた。
かつてこの島で共同生活を送っていた男女が、二十年ぶりにここへ集い、彼らの中心的存在であり、海に落ちて亡くなった女優、真宮和音を偲ぶのだという。
彼らにとって和音はどのような存在だったのかを取材しようとした鳥有。
しかし、滞在している館の主人が、首を切られた頭部のない死体となって発見される。
二十年前、一体彼らに何が起こったのか。
そして和音の正体とは。
二十年ぶりに集った孤島で起こる悲劇
準社員扱いながらも、運良くバカンスとも言えるような取材に行けることになった烏有。
しかし、烏有の知り合いであり、今の出版社につないでくれた縁もある女子高生の桐璃もアシスタントと称してほぼレジャー気分でついてきます。
島へ集った男女は、ずっと島の館で暮らし続ける館の主人・水鏡と手伝いの真鍋夫婦、そして二十年ぶりに島へやってきた呉服屋を営む結城、貿易会社を経営する村沢とその夫人、神父となった小柳。
ここに烏有と桐璃が加わり、彼らに取材するはずが、主人の水鏡が中庭の円舞台の上で、首が切り落とされた状態で発見されます。
そして真鍋夫婦は島につながれた小型の船とともに消え、電話はつながらず…。
密室となった島に閉じ込められた彼らのうち、犯人は誰なのか。
和音と彼らとの過去、烏有と桐璃との出会い、奇妙に歪んだ屋敷。
それぞれが絡まりあい、新たな悲劇へとつながっていき…。
まとめ
キュビズムを柱とした象徴としての和音の存在と、鳥有の過去にまつわる葛藤とそこから脱却しようとする足掻きが描かれます。
そしてラストは「!?」となり、もう一度最初から話を整理する必要が生まれるかもしれません。
その上であなたが得たこの物語の解釈はどのようなものになったでしょうか。
<こんな人におすすめ>
孤島で起こる密室殺人を描いたミステリーを読んでみたい
衝撃的なラストを迎え、考え込んでしまうようなミステリーに興味がある
麻耶雄嵩のファン
は?え?どゆこと!?
しかもメルカトルが登場するの!?
えーとえーと もういっかい整理して
みよう…(・・;)
島に招かれた男女だけでなく
烏有や桐璃にも隠されたものが
あるようね。このラストは読み手によって
様々な解釈が生まれるかもしれないわね。
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