こちらは池袋ウエストゲートパーク
シリーズの第16弾よ。児童虐待の
動画サイトを潰し、参加者たちを
日の目にさらすために罠を仕掛けるの。
毎回時事ネタに沿った内容だけど
今回はまたヘビーだな。
児童虐待サイトなんてどうやって
やっつけるんだ?
敵の懐に入るために、マコトは
仲間たちの協力を得て、ある作戦を
立てるのよ。
そこは読んでのお楽しみ、って
とこだな!どんな作戦なのか
気になるぜ!!
『獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16 』
石田 衣良 (著) 文春文庫
あらすじ
マコトが果物屋で仕事をしているとスマホに一本の電話が入った。
テレビ曲のプロデューサーで梅原と名乗る彼は、児童虐待の動画を投稿するサイトを潰し、参加する者たちを世間の目に晒したいので、マコトに協力してほしい、と言うのだ。
簡単に入り込めないそのサイトには幼い少女が熱湯をかけられ泣き叫ぶ姿が。
マコトとタカシはサイト参加者をおびき寄せるために罠を仕掛ける。
児童虐待サイトに入り込むために仕掛けた罠
梅原はマコトにメイクアップアーティストの女性・ミズキとフリーのプログラマー・ハジメ、スポーツジムのインストラクター・コウジの三人の男女を協力者として紹介します。
彼らは親に虐待された子供たちが入所する児童養護施設の出身で、それぞれに虐待された経験を持っています。
サイト内部は三層に分かれ、最上位が五人、予備軍が十二人、あとは観客として参加する者たち、と言う構造。
管理人は誰かは不明ですが、奴らからこちらへ連絡させるために、マコトはある作戦を考えます。
それは梅原をはじめ、ミズキやハジメ、コウジに強い負担を与えるものですが、彼らでなければできない内容でもありました。
こうしてマコトは虐待サイトの主犯格とやりとりするようになり、やがてオフ会参加の案内が届きます。
まとめ
子供が泣き叫び恐怖に震える姿を見て楽しむ者たち。
その姿は醜い笑みを浮かべ、この先生きていく子供たちに消えることのない深い傷を残していきます。
マコトは当然のこと、タカシやゼロワンまでもが問答無用で鬼畜を潰しにかかる姿は痛快。
そして、そんな状況の中でも光り出したひとつの才能。
それは暗黒の世界を照らす、一筋の光となり、読むものに希望を与えてくれるのです。
<こんな人におすすめ>
児童虐待サイトを叩き潰す話に興味がある
『池袋ウエストゲートパーク』シリーズのファン
石田 衣良のファン
いつもはクールなタカシやゼロワンが
感情を出して全力で取り組むところが
胸アツ。いい奴らだよなあ。
重いテーマではあるけれど
マコトたちの活躍と、ひとつの
若き才能の開花にかすかな光を
感じさせてくれる物語ね。
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