こちらはホーソーンとホロヴィッツが
訪れた文芸フェスで、関係者の死体が
発見される事件が発生するの。
二人がその真相を探るミステリーよ。
お!仲の良くない二人が事件に挑む
シリーズ第三弾だな!
ところで文芸フェス?そういう
イベントにホーソーンは興味が
なさそうだけど。意外だなあ。
二人で解決した最初の事件を
ホロヴィッツがミステリに仕上げていて
その作品の出版前だったため、宣伝も兼ねての
参加ということらしいの。でも行ってみると
思いがけない相手に出会うのよ。
ほほう。思いがけない相手とな?
それに今回の事件でもどんな鋭い
推理をホーソーンが見せてくれるのか。
楽しみだぜ!
『殺しへのライン』
アンソニー・ホロヴィッツ (著), 山田 蘭 (著)創元推理文庫
あらすじ
作家であるわたし、アンソニー・ホロヴィッツは探偵ダニエル・ホーソーンと組んで解決した事件を小説にした『メインテーマは殺人』の刊行を三ヶ月後に控えていた。
宣伝を兼ねてチャンネル島のオルダニーで開催される文芸フェスに二人で参加することに。
どことなく不穏な空気が漂う中、文芸フェスの関係者のひとりが死体となって発見される。
手足をテープで固定され、首をナイフで突かれたその死体は右手だけが自由な状態だった。
ホーソーンは犯人とその動機や意図を明らかにすることができるのか。
文芸フェスで起こる連続殺人事件
この文芸フェスに招待されたのは七人。
不健康な料理が売りのシェフ、目の見えない霊能者、戦争史家、児童文学作家、フランスの朗読詩人、そしてホーソーンとホロヴィッツ。
それぞれにあいさつを交わし、トークイベントではホーソーンが自身のことや過去の事件を語り、会場を大いにわかせます。
しかし最後に質問を投げてきた男…それはホーソーンと因縁の関係にある人物だったのです。
夜には主催者の一人の邸でパーティーが開かれます。
翌日、邸の庭にある眺望邸で、主催者の一人であるル・メジュラーの死体が発見されます。
多くの人間から恨みを買っていたという彼を殺害したのは誰なのか。
地元警察と連携し、捜査に挑むホーソーンとホロヴィッツですが…。
まとめ
今回も腹に一物を抱えた、クセの強い人間たちのオンパレード。
誰もが怪しく、それなりに動機もあるので犯人の捜し甲斐があるというもの。
また、ホーソーンの因縁の相手であるダレク・ガボットとの対決も見ものです。
謎に包まれたホーソーンの過去がちらりと見えるドキドキと、ホロヴィッツの相変わらずの頼りなさ加減が絶妙にミックスされた、夢中にさせてくれるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
島で開催された文芸フェスで起こる連続殺人事件の謎を解くミステリーに興味がある
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズのファン
アンソニー・ホロヴィッツのファン
相変わらずのホロヴィッツの
残念具合が話の重さを軽減させて
くれていいバランスだな!
そして冴え渡るホーソーンの推理!!
さらに因縁の対決!!盛り上がるな〜。
ホーソーンの過去が垣間見える
部分にも注目したいわね。
細部まで練られた伏線と効果的に
見せ場を出す構成がお見事。
満足度の高いミステリーね。
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