こちらは『眠り医者ぐっすり庵』
シリーズ第三弾よ。藍はひょんなことから
高級料亭で奉公修行をすることになるの。
ええ?外に働きに出たことなんて
ないんだろう?大丈夫かな。
しかもその料亭の目玉イベントで
江戸と京のお茶対決が行われることに。
江戸代表として藍はお茶の準備をするわ。
ひょえー。慣れない女中仕事に
勝負のプレッシャー。それこそ
藍が睡眠不足になってしまうんじゃ…?
『春告げ桜 眠り医者ぐっすり庵』
泉 ゆたか (著) 実業之日本社文庫
あらすじ
滝野川沿いにある、京料理で有名な高級料亭、桜屋。
京の出の女将が切り盛りするこの店で、奉公修業をすることになった藍。
やり手の商売人・一心からはこの体験から、桜屋を盛り立て江戸の人々が喜ぶものを考えるように言われるが、慣れない仕事に四苦八苦。
合間にもらった休みでぐっすり庵へと向かえば、眠れない人々がやってくる。
藍の兄、松次郎と助手の福郎は、人を眠りに誘うための物を何やら作り出そうとしている様子で…。
はじめての女中仕事でくたくたに
一心の独断により桜屋の女中として働くことになった藍。
膳を受け渡す単純な作業ですが、一日中同じ動きをしているため体はガチガチにこわばり、膳を落としてしまう失敗も。
仕事を終えれば体は疲れているのに熟睡できない状態が続きます。
藍を心配した伯父に一度呼び戻された際、兄の松次郎に状況を報告し、相談。
そこで兄に提案された献立を、桜屋に戻った藍は女中仲間たちに振る舞うのですが…。
また、長い間離れていた桜屋の女将の娘、里が見つかり一緒に暮らしはじめます。
しかし、母娘の感動の再会とはいかず、里は女将に小さな子供のような態度でつっかかるばかり。
二人の関係は改善されないまま、桜屋を盛り上げるイベント、お江戸と京のお茶対決が行われます。
この日のために藍が用意したお茶とは。
まとめ
働きに出たことのない藍が、仕事の現場に出て戸惑い、苦労しながら仲間を得て、自分の居場所を少しずつ広げているようです。
ぐっすり庵を訪れる面々も、占い師やお江戸一の京ぐるいなど一癖も二癖もある人物。
しかしどんな人間にとっても「眠り」は等しく大切なものなのです。
松次郎と福郎が作りあげた「安眠グッズ」に目尻を下げつつ、人々の安らぎと笑顔のために奮闘する藍の姿にエールを送りたくなる、シリーズ第三弾です。
<こんな人におすすめ>
料理屋で催される京と江戸のお茶対決を描いた話に興味がある
『眠り医者ぐっすり庵』シリーズのファン
泉 ゆたかのファン
不眠の原因も人それぞれなら
対応策も千差万別なんだなあ。
藍が働くことで成長していく姿が
まぶしいぜ:*:.。.:*(´∀`*)*:.。.:*:
職場、男女、親子。良好な人間関係を
築くにはしっかりとした睡眠で
安らかな心を保つことが必須なのよね。
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