こちらはストーカー行為を
疑われた牟田が「冤罪の専門家」紗雪と
ともに証拠を集め、現場を検証し
無実を証明していく物語よ。
ストーカーの疑いをかけられたのか。
誰かと人違いされたってこと?
紗雪が人々の認識誤りや
事件のあった状況からおかしな点を
見つけ出したりするの。
認識誤りで犯罪者扱いは大変だ!!
二人は被害者を納得させるような
証拠をあげることができたのかな。
『無実の君が裁かれる理由』友井羊 (著) 祥伝社文庫
あらすじ
大学生の牟田幸司は、同じ大学の鈴木亜梨朱に対するストーカー行為を疑われる。
全く心当たりがないが、亜梨朱の友人、北川由美により情報が拡散され、周囲から嫌悪の目を向けられ困惑。
バイト先の店主から「冤罪の専門家」として遠藤紗雪を紹介される。
牟田の無実を証明するため、紗雪が亜梨朱から状況を詳しく聞き出し、牟田と二人で現場の再現を行う。
その検証で明らかになったこと、そしてストーカー事件の真相とは。
突然犯人扱いを受け世界が一変する
「ストーカーのくせにとぼけてんじゃねえよ。」突然こんな言葉をかけられ驚き戸惑う牟田。
一切心当たりがなく、次の講義の時間が迫っていたため、その場は「時間がないから後で」と去りました。
しかし翌日から「牟田が亜梨朱にストーカー行為をしている」という情報が拡散され、周囲から冷たい目を向けられる牟田。
紗雪から冤罪が起こりうる状況を聞き、それを北川に説明しようとするも聞く耳を持たず、逆に牟田が数人に囲まれてしまいます。
紗雪にその場をとりなしてもらい、ストーカー行為の調査をはじめます。
検証により、牟田の無実は証明され、亜梨朱からの謝罪も受けます。
それではストーカー行為を行なっていた人物は誰だったのか。
亜梨朱のマンションの近くで見かけた不審人物を捕らえようとして逆に殴られてしまった牟田ですが、運良く近くにいた刑事に助けられます。
ストーカー行為をしていた真犯人の目的とは。
まとめ
ストーカー行為、器物破損、痴漢事件に殺人事件。
人の認識の曖昧さ、心理的な動きからいとも簡単に冤罪が生まれてしまうことに驚きます。
そして犯人とされた人物とその家族の生活は壊され、無実が証明された後でも、元の状態に戻ることはできません。
「疑わしきは罰せず」の精神を持ち、確実な証拠が出るまでは犯人と断定するべきではない。
被疑者、被害者ともに不幸を呼ぶ冤罪は生み出してはならない。
そう感じさせてくれるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
冤罪が生まれる様子を描いたミステリーに興味がある
冤罪による被害、そして周囲の心理状態を描いた話を読んでみたい
友井羊のファン
恐ろしき集団心理。正義の鉄槌を
ふるうとしてもその相手が
本当は無実だったとしたら。
…ゾッとするな(;°-°;)))
犯罪者のレッテルを貼られると
その印象を覆すのはなかなか
難しいものよね。犯人であるかどうかの
判断には慎重さが必要であることを
教えてくれるミステリーね。
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