こちらは『ちびねこ亭の思い出ごはん』
シリーズ第七弾よ。娘の結婚に反対した後、
事故でその娘を喪ってしまった父親が
ちびねこ亭にやってくるの。
うわあ…。それは自分のせいだと
思ってしまいそうだなあ。時間が
あればもっと話をして結婚に
賛成したりもできたろうに。
身寄りがないという娘の交際相手と
娘の二人分の遺骨を持って店を訪れ、
ソーセージ鍋を注文するわ。
ソーセージ鍋…。ポトフっぽい
ものかな?二人とも現れて
くれるんだろうか。
『ちびねこ亭の思い出ごはん チューリップ畑の猫と落花生みそ』
高橋由太 (著) 光文社文庫
あらすじ
公立中学校の国語の教師である櫻井登は、妻が急に亡くなった後、幼い娘・桃子を男手ひとつで育ててきた。
二十八歳になった桃子は「結婚したい人がいる」と交際相手の平野真佐也をつれてきた。
アルバイトをして金をためて店を持ちたいという真佐也。
先行きの見えない二人の結婚に反対し追い返した後、二人は事故に遭って亡くなってしまう。
登は桃子の職場の同僚から聞いたちびねこ亭へ、二人の遺骨を持って訪れる。
未来ある二人を失った悲しみと後悔と
娘の桃子が三歳の頃、妻が脳出血で亡くなり、以来恋人も作らず男手ひとつで娘を育ててきた登。
二十八歳となった桃子は図書館の司書として働いていました。
ある日、桃子から結婚したい人がいるから紹介する、と言われ家にやってきたのは平野真佐也という声と体の大きい、桃子より年下の二十四歳の青年。
桃子と知り合ったきっかけやアルバイトをして資金をため、店を出したいこと、プロポーズした場所、そして「お義父さんと呼んでいいいですか」と問う真佐也のずうずうしさと将来の不安要素に、登は結婚に反対の意を示します。
部屋を出て行った桃子と真佐也は事故に遭い、帰らぬ人となってしまいます。
登は桃子の職場をたずね、同僚の職員からちびねこ亭の話を聞きます。
予約を入れ、二人の遺骨を持って店へとやってきた登が注文したのはソーセージ鍋。
あたたかな湯気の中で二人が登に伝えたこととは。
まとめ
初対面で伝わりきれなかった相手の印象や、娘を大切に思う気持ちから二人を傷つけるような発言をし、そのまま会うことができなくなってしまった登。
二人が結婚の約束をした日、帰りにちびねこ亭で食べたというソーセージ鍋を思い出ご飯として頼んだ登。
現れた桃子と真佐也に詫びの言葉を入れるのですが。
明るい未来が待ち受ける二人の未来の扉を自分が閉ざしてしまったのでは、と哀しみと後悔にくれる登。
二人が見せてくれたのは家族になる幸せな姿。
家族愛と美しいチューリップ畑。
あたたかな思いと、切なくも鮮やかな景色がいつまでも胸に残る、シリーズ第七作です。
<こんな人におすすめ>
大切な人への思いが伝わるような、いつもそばにいてくれると感じられるような
感動的な話を読んでみたい
『ちびねこ亭の思い出ごはん』シリーズのファン
高橋由太 のファン
。゚( ゚இωஇ゚)゚。
やっぱり子供が幸せな姿を
親は見たいんだよな…
色とりどりのチューリップの中で
幸せそうな表情をする娘たち。
まぶたの奥に焼きつくような
切なくも鮮やかな景色が印象的ね。
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