こちらは木偶人形のお華と
人形遣いの月草のコンビが
江戸で起こる騒動を解決していく
シリーズ第二弾よ。今回は両国を
取り仕切る親分の後継騒動が起こるの。
江戸一の賑わいを見せる
町の親分の後継だって?
確か娘がいたんだよな。
そうね。でも親分の息子と
名乗る人物が現れたり
娘の婿取りの話が出たりと
町を巻き込んでの騒ぎになって
しまうのよ。
ありゃりゃ。そりゃなんとも
面倒な話だなあ。お華と月草は
このトラブルを解決できるんだろうか。
『あしたの華姫』畠中 恵 (著) 角川文庫
あらすじ
数多くの食い物屋に芝居小屋に寄席、見世物小屋が並び、江戸一の賑わいと言われる両国。
この両国を仕切る地回りの頭、山越の親分が病に臥せったことで、にわかに跡取り問題が持ち上がる。
山越の息子だと名乗る者が現れたり、親分の一人娘のお夏の婿取りの話も上がり、両国の町を巻き込んでの大騒動に。
問題の真相を探り、解決するために月草とお華は江戸の町を駆け巡る。
両国の親分 跡継ぎ問題勃発!?
多くの人々が集まる両国の町を取り仕切る山越の親分と娘のお夏が麻疹に罹り臥せってしまいました。
人形遣いの月草は木偶人形のお華とともに山越の屋敷へ向かい、お夏の世話を手伝うことに。
二人とも無事に回復したものの、にわかに山越の後継問題が持ち上がります。
山越の息子で、山越に顔がそっくりな春太郎が登場し、親戚や身内、手下たちはざわつきます。
山越の本復祝いの日、広い屋敷に集まった一同の前で、春太郎が口を開きます。
それは山越との縁は切れていると承知していること、そして品川で月草を見たこと、その月草はある男が猫いらずを買う様子を眺めて首をかしげていた、と話します。
山越の病を読み売りで知り、この猫いらずは何に使われる予定だったのか。
それを聞いた山越は、月草に問います。
「今日、おれに一服盛ろうとする奴がいるってのは春太郎の思い込みか?それとも本当のことか?」と。
顔が引きつる月草に代わって答えたのはお華でした。
そして猫いらずは使われたのかどうか。
その理由と経緯を説明します。
その場は一見落着したのですが…。
二人目の息子の登場、お夏の婿取り問題など、両国の町の人々の生活がかかった騒動へと発展していきます。
まとめ
お江戸一の繁華街、両国の町を取り仕切る親分の跡継ぎ問題、大金が行き交うこの町を仕切る立場に魅せられた者たちがやってきます。
どっしりと肝が座った親分ではありますが手の回らない部分があること、そして愛娘・お夏のこととなると穏やかではいられません。
お華と月草のコンビは町の人々とうまく連携しながら問題解決の糸を探っていきます。
へっぴり腰気味の月草と、歯に衣着せぬ物言いのお華のコンビが、江戸の人情にふれ合いながら「まこと」を探していくシリーズ第二弾です。
<こんな人におすすめ>
多くの人が行き交う江戸は両国の町を取り仕切る親分一家と人形遣いがトラブルを解決していく話に興味がある
前作『まことの華姫』を読んだ
畠中 恵のファン
おっ?お華の舌鋒の鋭さは
変わらずだけどもなんだか
月草の株が上がってないか…?
両国に生きる人間の一人として
自分たちらしいやり方で問題を
解決していくお華と月草の
コンビの活躍に目が離せないわね。
前作『まことの華姫』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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