こちらは近所に住む金持ちの男、
ギャッツビーとの友情と彼が
人妻に向ける一途な愛を描いた
物語よ。
ほほう。ギャッツビーは
何をして金持ちになったんだ?
彼は第一次世界対戦で兵役に
就いていたようなの。その後は
何をしていたのかよくわからなくて
人々の噂にもなっているようよ。
謎の男ってわけだな。
そのギャッツビーはどんな女性を
愛したんだろう?気になるぜ。
『グレート・ギャツビー』
フィツジェラルド (著) 大貫 三郎 (翻訳)角川文庫
あらすじ
中西部の名家、キャラウェイ家出身のニックは、第一次世界大戦後ニューヨークの証券会社に就職し、ウエスト・エッグに家を借りて住んでいる。
隣に住むギャッツビーは、豪邸で夜毎華やかなパーティーを催し賑わっている。
それは、かつて思いを寄せた相手で現在は人妻となっている女性とよりを戻すためだった。
そんな彼の一途な想いが彼らを悲劇の運命に巻き込んでいく。
謎めいた男 ギャッツビーがこの家に住む理由
音楽が聞こえ、着飾った多くの男女が行き交い、庭は電球で飾られテーブルには色とりどりの食事が並ぶ。
そんな豪華なパーティーが毎晩開催されるギャッツビーの家に、隣人のニックは招待されます。
人を殺したことがある、などと噂されるギャッツビーですが、実際に会った彼は礼儀正しく信用できる微笑みをたたえた人物でした。
その素性は謎めいた部分が多かったものの、交流を重ねるうちにある人物の遺産を継ぎ、巨万の富を築いたこと、そしてこの場所に住むことを選んだ理由をニックは知ります。
ギャッツビーは湾の向こうのイーストエッグに住むニックの親戚であり、また友人の妻でもあるデイジーに、戦争へ行く前からずっと思いを寄せていたのでした。
そしてニックにも協力してもらいながら、慎重にデイジーへその気持ちを伝えようとします。
そんなギャッツビーの一途で繊細な心は、やがて思いがけない悲劇を引き起こすのです。
まとめ
謎めいた男、ギャッツビーの招待は、一人の女性を思い続ける臆病な人物でした。
戦後の開放感と富を持つ享楽的な人間たちの中で、彼女への「思い」を芯にして生きる男ギャッツビーと、仕事を持ち冷静に物事を見る常識的な男ニックの二人の姿が鮮やかに浮かびあがります。
ドラマチックな展開ながらも詩的なものを感じさせる文章には、登場人物たちの空疎な悲しみや絶望が漂うようです。
1920年代の若者たちの、光と陰を描く物語。
<こんな人におすすめ>
第一次世界大戦後のニューヨークを舞台に、ひたむきに一人の女性を愛し続けた男の姿を描いた物語に興味がある
若者たちの退廃的な姿、青春の憂愁を美しい文章で描く物語を読んでみたい
フィツジェラルドのファン
華やかだけど空虚な世界。
そんな中でギャッツビーの愛は
中身が満たされていた、はず
なんだけど… こんな結末に
なろうとは…。
1920年代のアメリカ中西部を
舞台に、若者たちの光と陰を
美しく抑制の効かせた文章で
描く物語ね。
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