ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『旅の終わりに君がいた』いぬじゅん (著)

のこ
のこ

こちらは死を迎える者に

最後の食事を提供する

キッチンカーの物語よ。

ぬこ
ぬこ

ええ〜?人が亡くなる時期って

本人がわかるのか?それとも店の人が?

それでどんな料理を出すんだ?

のこ
のこ

店主は死期が近づいた人が

わかるそうよ。そしてその人が

食べたいものもわかるから

そのお客ごとに違った料理を出すの。

ぬこ
ぬこ

へえ〜。死期がわかるってのは

悲しくもあるけど

最後に食べたいものを

食べさせることができるのは

ちょっと救われるかもしれないな。

『旅の終わりに君がいた』

いぬじゅん (著)実業之日本社文庫

あらすじ

季俣埜乃は婚約者に別れを告げられ、仕事も失った。

最後の晩餐を、と考えていると1台のキッチンカーが目に止まる。

「メニューはない」とぶっきらぼうに告げる店主から出された料理は埜乃にとって思い出のある懐かしいもの。

その味に、知らず埜乃は涙を流す。

死を迎える者に最後の食事を提供するキッチンカー「FINE」、そして店主・神代悠翔の思いとは。

『最後の晩餐』をキッチンカーで

交際三年半、来年の五月に婚約者の剛と結婚する予定だった埜乃。

しかし突然彼から『全部なかったことにしてほしい』と告げられます。

二人で住む予定だったアパートも、式場も指輪もキャンセルする、と。

実家の兄と義姉に報告するも冷たくあしらわれます。

結婚のために仕事も辞めてしまった埜乃。

剛が他の女性と付き合っていたことも判明し、絶望の淵に立たされた埜乃は己の死を予感します。

最後の食事を、と考えたときに現れたのはキッチンカーFINE。

無愛想な店主が出してくれたのはアジの干物のおにぎり、だし巻き卵とエビの味噌汁。

口にすれば父と母のふたりの声が聞こえてくるようです。

今までどんなに悲しくても泣くことができなかった埜乃ですが、気がつけば涙を流していました。

「死についてどう思う?」そんな質問を投げかける店主に埜乃は五年前の出来事を思い浮かべます。

両親が亡くなり、自分だけが助かったあの列車事故のことを。

食べるうちに心がぽかぽかと温かくなった埜乃は店主にお礼を告げます。

元気になった埜乃を見て何故か眉をひそめる店主ですが…。

まとめ

人生の最後を迎える者と、その人物が食べたいものが思い浮かぶ、というキッチンカーFANEの店主・神代悠翔。

その客として訪れた埜乃ですが、悠翔のカンが外れたのか、命を落とすことはなく、キッチンカーを手伝うことに。

静岡県内の各地をまわるキッチンカーは、様々な思い出の料理を提供し、その人々はあるつながりいを見せるのです。

穏やかで美しい静岡の景色と、皆が持つ食の思い出、そして共通の体験が時に奇跡を起こすことも。

いのちと食、そして人々のつながりにあたたかな涙が溢れる、感動の物語です。

<こんな人におすすめ>

人生最後の時に思い出の料理を提供するキッチンカーの話に興味がある
最後の食事をするお客たちの不思議なつながりやそれぞれの人生を描いた話を読んでみたい
いぬじゅんのファン

ぬこ
ぬこ

食事をするお客たちと

こんな繋がりがあったとは!!

それも胸熱だぜ…

のこ
のこ

最後の食事からその人の

人生が見えてくるものなのかも

しれないわね。

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