こちらは語られることのなかった
日本の歴史を実際の資料を提示
しながら物語仕立てで明らかに
していく物語よ。
日本の歴史?あの教科書に
載ってる内容じゃないの?
古事記とか日本書記とかさ。
そういったものには記載
されていない内容ね。
主人公は神社の宮司をしていた
父が殺害されて、その真相を
探るために日本へ向かうの。
ほほう。主人公は海外で暮らして
いるのか。日本の成り立ちとか
神様のことに詳しいのか?
何が明らかになるのか、気になるぜ。
『アマテラスの暗号(上)』伊勢谷 武 (著)宝島社文庫
あらすじ
ゴールドマン・サックス元トレーダーの賢司はある日一本の電話を受けた。
両親の離婚以来会うことのなかった父親が、何者かに銃殺されたというニューヨーク市警からの連絡だった。
賢司の父・海部直彦は日本で古い歴史を持つ神社の宮司。
父は何故、日本から遠く離れたニューヨークにいたのか。
そして何のために殺されたのか。
父の死の真相を探るため賢司は友人たちと日本へ向かう。
父の死の謎の真相を求め 一路日本へ
両親が離婚してから四十数年、一度も会っていない父がニューヨークで銃に撃たれて死亡しました。
その手口はプロによるものと考えられ、父親が何者かに狙われるような心当たりはあるか、と賢司は警察にたずねられますが見当もつきません。
また父とともにもう一人の男性が同じ部屋で死体となって発見されていました。
その身なりからこの男性はユダヤ人であるとこのこと。
日本の神社で宮司を務めていた父とユダヤ教徒とはどんなつながりがあるというのか。
首をひねりながら帰る途中、在ニューヨーク日本領事館の度会と名乗る男性から声をかけられ、賢司の父は自分の身に危険が迫っているのを知っていたこと、そして自分の身に何かあればこれを賢司に渡してほしい、と言われ預かっているものがある、と聞かされます。
受け取った封筒の中には父からの手紙、家族の写真が。
そしてその写真の裏には日本語のカタカナのような不思議な文字が書かれていました。
父が最後に自分に向けて遺したメッセージであると考えた賢司は、ゴールドマン・サックス勤務時代の同僚、イラージ、デービッド、王を招集。
彼らの知能を総動員して暗号を解こうと奮闘しますがうまくいきません。
父の死の知らせを聞き、賢司のもとへやってきた母は「あなたのお父さんは、日本のタブーのために殺されたのよ」と…。
母の口から語られたのは日本とイスラエルの驚くべき共通点。
賢司は父の死の真相を探るため、友人たちとともに日本へと向かいます。
まとめ
日本の祭事や地名などとイスラエルやユダヤ人たちとのそれが偶然と言うには少々多すぎなほどの共通点があることに驚きます。
実在する資料を提示しながら、日本建国の神話、宗教観、その成り立ちを丁寧に解説。
宗教や価値観など、感覚では理解できるものの言葉にするのは難しい概念がとてもわかりやすく腑に落ちる形で描かれています。
日本建国とその根幹を揺るがそうとする敵の動きにもハラハラします。
日本という国とユダヤ人との関係、そこにどんな秘密があるのか、下巻への期待が高まる歴史ミステリーの上巻です。
<こんな人におすすめ>
日本の歴史の知られざる側面を描いた歴史小説を読んでみたい
日本人の価値観と国の成り立ちを描いた話に興味がある
神社の宮司であった父が殺害された理由を探るミステリーを読んでみたい
どわっ 鳥肌が…
確かに偶然というにはあまりにも
共通点が多すぎて…
日本の価値観や宗教観に
ついて詳しく描かれている点も
興味深いものがあるわね。
下巻でどのように展開していくのか
楽しみね。
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