
こちらは元刑事の探偵と助手が
余命宣告を受けた人たちが
参加する会のゲストとして招かれた
別荘で起こる事件の謎に挑む物語よ。

余命宣告を受けた人たちが?
ひょっとして亡くなった人物も
余命宣告を受けていたとか?

そうなの。でも自然死なのか
何者かによって殺害されたのか
そのあたりも判然としないの。
探偵たちは現場を捜査して
推理を重ねていくのよ。

余命宣告を受けた人間を
わざわざ殺す必要ってあるのか?
探偵の腕前をとくと拝見だな。
『どうせそろそろ死ぬんだし』 香坂 鮪 (著) 宝島社文庫
あらすじ
元刑事の探偵・七隈昴は助手の薬院律とともに山奥の別荘「夜鳴荘」へとやってきた。
余命宣告を受けた者たちが集う「かげろうの会」のゲストとして招かれたのだ。
食事をして彼らとの交流を深めた二人だったが、翌朝参加者の一人が死体となって発見される。
病による自然死か殺人か。
七隈たちは真相を探るべく現場の捜査を開始する。
余命宣告を受けた人間の死は自然死かそれとも…
平屋建てのエーゲ海などの明るい海沿いの洋風建築といった趣の夜鳴荘は、かげろうの会発起人で医師でもある茶山氏が所有しています。
自身が余命宣告を受けたことでブログで闘病生活を綴っていたところ、同じように余命宣告を受けた人々と交流するようになり、不定期に集まっているのだとか。
集まったメンバーは茶山氏のほか同じく医師の次郎丸氏、食品メーカーの会社取締役の六本松氏、記者の賀茂氏、専業主婦の橋本さんと大学生の南春奈さん、そしてこの会の期間中シェフをつとめる茶山氏の孫でもある千崎桜子さん。
それからゲストの七隈と薬院。
夕食後、遊戯室へ向かい交流を深めた面々は三々午後各自の部屋に戻り就寝。
翌朝、朝食の席に現れない賀茂を起こしに行った茶山は彼の死体を発見。
「警察を呼べ」と叫ぶ六本松に対し、皆は沈黙。
戸惑う薬院は七隈に「連絡しないんですか?」と訊くと「警察に連絡するかどうかは、まだわからない」と七隈は答え…。
まとめ
マイペースな七隈にふりまわされ気味な助手の薬院。
何となくちぐはぐなコンビが、余命宣告を受けたメンバーが集う会合に招かれゲストの一人が亡くなる状況に遭遇します。
被害者は自然死なのか、何者かによって殺害されたのか。
殺害された場合、なぜ余命がある人間を手にかけたのか。
動機や殺害方法など現場を慎重に確認しながら七隈と役員は推理をしていきます。
あちこちに怪しげな罠が何重にも仕掛けてあり、ラストに「なるほど!」と言わずにはいられない見事な展開で、最後まで気がそれることなく楽しめるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
企みに満ちた叙述ミステリを読んでみたい
余命宣告を受けた人々が集まる別荘で起こる事件の謎に挑むミステリに興味がある
余命宣告を受けた人物の死が病気によるものか殺人なのかを解明する話を読んでみたい


なるほど!!あの違和感は
こういうわけだったんだな。
伏線ありすぎだけど気持ちよく
騙されてしまうな〜。

これぞまさに叙述ミステリ!
といった構成から展開まで
企みに満ちたミステリーね。
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