
こちらは沖縄のホテルが舞台の
『ホテルジューシー』第二弾よ。
元いじめられっ子のザッくんが
ここでアルバイトをして様々な人と
出会い成長していく物語よ。

元、ってことは今はいじめとは
縁のない状態にいることが
できているのかな?

見た目もすっきりとした様子に
変わったのだけれど相変わらず
人付き合いは苦手なの。
同じいじめられっ子だった仲間たちと
いつか行こうと約束した沖縄へ
バイトで一人向かうことになったのよ。

ホテルの人たちって確かくせ強じゃ
なかったか?そんなところで
彼はやっていけるのだろうか…。
『楽園ジューシー ホテルジューシー』坂木 司 (著)角川文庫
あらすじ
色白で太っていて天然パーマ。
条件がそろってしまった小・中・高といじめ続けられてきたザッくん。
そんな中でもできたかけがえのない仲間たちと「いつか沖縄へ行こう」と約束する。
大学生になり、思いがけずそのあこがれの地にバイトで行くことになったザッくんは、ホテルジューシーの個性的なオーナー代理や謎の双子のお婆さん、そしてホテルに来る客たちと交流しながら目をそむけてきた自分の内側に向き合っていく。
クセ者揃いのホテルでバイト開始
大学生になり、ウォーキングしてやせたところミックスの顔立ちが前面に出てきてザッくんはモテはじめますが、今までのいじめられっ子マインドから抜け出せずうまく友達が作れませんでした。
中学のときに同じように居場所がなかったアタマツとゴーさんとの友情は続いていて、違う道にそれぞれ進んでいるものの連絡は取り合っています。
そんな彼らと約束していた沖縄の地に、一人出向くこととなったザッくん。
バイト先の弁当屋が一時的に休業となり、ひょんなことから夏休みの間に沖縄のホテルジューシーで働くことになったのです。
昼間は寝ているが夜になると元気になるオーナー代理、しっかり者の料理担当・比嘉さん、インパクト抜群の清掃担当である双子のおばあ、クメばあとセンばあ。
個性的なメンバーに囲まれて働くホテルにやってきた男性二人連れ。
古着を見てまわるのだと言います。
女性二人組のお客も到着し、旅先での開放感からか和やかに会話が進み、ザッくんも参加。
そして突然切り上げるうようにその場を辞した女性の様子を気にしつつ、翌日彼らは四人で首里城を観光することになったらしいのですが…。
まとめ
観光地で謎の行動を取る女性に戸惑う男性たち。
そこへオーナーが真相を語りはじめます。
旅先は開放感が出ることで、自分をもっと大きく見せようとしてしまう部分もあるのかもしれません。
しかしその「見せ方」というのは自分が満足するだけで、相手にとってはどうでも良かったり、逆に不快感を与えていることだってあるのかも。
傷ついて生きてきたザッくんは人と距離を取って優しく接しているように見えますが、場所や相手が変われば意思表示しない、ハッキリしない奴と受け取られることもあるのです。
でもそれってどうして、と考え悩みながら成長していくザッくんを沖縄の強い光を放つ太陽が照らして見守ってくれている。
そんな風に感じる物語です。
<こんな人におすすめ>
いじめられっ子マインドから抜けきれない大学生が沖縄のホテルでのアルバイトで様々な人や価値観と出会い成長していく物語を読んでみたい
前作『ホテルジューシー』を読んだ
坂木 司のファン


優しさという殻をかぶって
人とぶつかるのを避けていた
ザッくんがそこから少しずつ
抜け出して成長していく
姿がいいよな。

いじめの記憶は心の奥深くを
傷つけるわよね。でもそこで
得た価値観などが様々な人に
出会うことで変化していく
様子に胸が熱くなる物語ね。
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