
こちらは200年前の人骨と
行方不明となった妹のDNAが
一致したという謎を兄である
大学院生が探るミステリーよ。

はい?200年前の人骨と
現代人のDNAが一致??
そんなことってある??

担当教授は殺害されてしまうわ。
また、教授の娘も行方不明に。
教授の姪と協力して、娘の行方と
探し続けている妹の行方、
そしてDNAにまつわる謎に挑むのよ。

死者が出るとは何やら不穏な…。
妹やら教授の娘やら行方が
わからない人物が多いのも
気になるところだな。
『一次元の挿し木』松下 龍之介 (著)宝島社文庫
あらすじ
インドのヒマラヤ山中にあるループクンド湖で発掘された200年前の人骨をDNA鑑定にかけていた七瀬悠は、その結果に背筋が凍った。
それは四年前に失踪した妹、紫陽のものと一致していた。
この結果を担当の石見崎教授に相談しようとしたところ、彼は何者かに殺害された。
関わる人々が襲われ、人骨も盗まれる中、悠は妹の生死や古人骨のDNAについての真相を探り出そうとするのだが。
四年前に失踪した妹と200年前の人骨のDNA一致の謎
高校生の頃、親が再婚し悠に二つ年下の妹ができました。
孤独な時を過ごしてきた悠にとって、妹の紫陽とのひとときはかけがえのないものでした。
しかし四年前に彼女は失踪し、その生死さえもわからない状態です。
大学院で遺伝人類学を学んでいる悠は、担当の石見崎教授から頼まれ、彼が24年前に「呪われた湖」と呼ばれるループクンド湖で発掘した200年前の人骨のDNA調査を行います。
その結果、DNAは失踪中の紫陽のものと一致。
紫陽は死んだということなのか。
しかし人骨が確かに200年前のものであるならば紫陽であるはずがない。
石見崎教授に相談しようと家をたずねた悠は、何者かによって殺害された教授を発見。
さらに問題の古人骨は盗まれてしまいます。
葬儀の場で教授の姪だという唯に話しかけられ、彼の娘の真理が行方不明だと聞きます。
悠は紫陽を、唯は真理を探し出すため互いに協力することに。
まとめ
一面に広がる挿し木で育てた紫陽花。
孤独な魂が呼び合うように時を重ねていった兄と妹。
こうした美しく切ない情景と、200年前の人骨のDNAの謎とそれを探る者の命を狙う不穏な影といったダークな部分が絶妙にからまり合い、その謎をいっそう魅力的にさせています。
会話や行動を前面に出し、歯切れの良い文章でテンポよく進む物語は、予想もつかない展開の連続でページをめくる手が止まりません。
はるか彼方、インドの呪われた湖で発見された多くの人骨の謎から、遺伝人類学の可能性、そこに絡む企業の思惑など、スケールの大きな様々な要素を含みながらも見事にまとめあげています。
そしてラストもやはり美しく、驚きに満ちながらも胸に深く落ちるのです。
テーマやキャラクターの魅力、物語を引っ張る巧みな文章力など、あらゆる面から楽しめる一気読み必至のミステリーです。
<こんな人におすすめ>
200年前の人骨と四年前に失踪した妹のDNAが一致した謎に挑む話に興味がある
古代の骨が大きな陰謀につながっていくサスペンスミステリーを読んでみたい
松下 龍之介のファン


ええええええっ∑(゚Д゚)‼️!
遺伝子って!!
そういうことだったの!?

専門的な要素がありながらも
読者をひきつける筆力と
スピーディーな展開で一気読み必至の
ミステリーね。
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