『いまのはなんだ? 地獄かな』 花村 萬月 (著) 光文社文庫
あらすじ
58歳で初めて子を得た小説家、愛葉條司。
「家族クソ喰らえ」の條司であったが、子育ての喜びを知る。
幸福な日々の中に潜む家族の「闇」。
それは、娘が3歳になる直前に明らかとなった。
「家族なんてクソ喰らえ」の條司だったが
年賀状に子供の写真を載せる奴の気が知れない、そう思っていた條司が、娘の愛が生まれてから一変する。
娘の全てが愛おしく、成長を見守ることに無上の喜びを感じる、妻との関係も良好で、ずっと2人で娘を育てていくのだと思っていたのだが、娘が3歳になる直前、妻はいなくなった。
まとめ
家族を持つこと、子を得た事で変化していく作家の内面を、京都や北海道、沖縄の自然の風景などを背景に、細やかに綴っていきます。
単なる心情小説に終わらないのがこの本の怖いところ。
ぽっかりと空いたその穴には逃れられない地獄が待ち受けているのです。
<こんな人におすすめ>
子どもが生れた後の父親の心境の変化に興味がある
家族の闇にせまるような物語を読んでみたい
花村 萬月のファン
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