船の旅ってどんなイメージ?
豪華ディナー!ダンスパーティー!
カラオケ大会!隠し芸大会!
(…後半がちょっとおかしいわね)
こちらは戦前の日本が舞台の連作ミステリーよ。
船の上で発見された謎を、二人の若者が解き明かす
話から始まるの。
ほほう。そんな時代の船旅か。
当時はどんな風だったのかね。
しかも殺人事件とは!!
船上の事件を解決した後も
北海道の各地で巡りあった事件を
二人で解決していくの。
衝撃のラストにも注目よ。
『人喰いの時代 』 山田 正紀 (著) ハルキ文庫
あらすじ
東京からカラフトへと向かう船上で発見された、下着姿の男の変死体。誰が、どんな理由で殺したのか。同じ二等船室となった呪師霊太郎と椹秀助が事件の謎に挑んでいく連作ミステリー。
船上で見つかった死体の謎
カラフトから外国に行こうと考えていた秀助は霊太郎と同じ船室になりました。悪天候のなか、2人が食堂に向かうと、そこには藤子物産の社長夫人、安芸子が1人でお茶を飲んでいました。
好奇心旺盛な霊太郎は安芸子に話しかけます。そして人々が寝静まった夜、安芸子の夫が変死体となって発見されたのでした。霊太郎は安芸子と関わりのあった人々へ話を聞いてまわります。まるで探偵のように。
まとめ
戦争の足音が近づき、少しずつ息苦しくなっている時代の日本。探偵小説も好きだという霊太郎が何よりも気になるのは人間の心。
犯人がわかったからといって警察に引き渡して終了、ではなく、何故そうするに至ったのか、その心理を解明することが霊太郎にとって大事なのです。
そして、数々の謎を解いた彼らに50年後に訪れる驚愕の真実。重々しい時代の空気をまとった本格ミステリー。
<こんな人におすすめ>
戦前の時代に活躍した探偵小説を読みたい
緻密なトリックと予想外の結末を描いたミステリーが好き
山田 正紀のファン
短編集なのに、どれもどっしりとしていて
重厚な空気が漂う話ばかりだな。
事件関係者の感情が丁寧に描かれ
当時の空気感とマッチしているわね。
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