
こちらはクレーム対応部署に
異動になった若宮恵美子が
謎の男・犬頭とともに
問題物件に挑む物語よ。

へえ〜。謎の男ってどんなやつなんだ?

不思議な力を持っている人物よ。
恵美子が世話係となっている
前社長の息子が大事にしていた
犬のぬいぐるみに似ているの。

それって、ひょっとして…?
どんな不思議な力を使って
問題を片付けていくのか。
楽しみだぜ。
『問題物件』大倉崇裕 (著) 光文社文庫
あらすじ
大島不動産販売に入社した若宮恵美子は、亡くなった前社長の息子で十年もの間難病と闘っている大島雅弘の世話係となり、本社の総務課のデスクと雅弘が伏せっている屋敷を行き来する日々を送っていた。
ところがある日突然、販売特別室に異動との辞令が下る。
問題物件のクレーム対応を命じられた恵美子が現場へ向かうと、犬頭と名乗る探偵があらわれ恵美子の協力をしてくれることに。
たった一人で向かった問題物件対応に現れた助っ人とは
持っていたヘルパーの資格を認められてか、長く闘病を続けている雅弘の世話と彼が暮らす屋敷を整え、時々本社の総務に顔を出す生活を送っていた恵美子。
雅弘とも打ち解け、彼が幼い頃から持っている犬のぬいぐるみを大切にしていることや、なかなか回復の兆しが見えない新薬への効果に対するもどかしさも理解できるようになっていました。
そんな中、突然の辞令を受けクレーム対応の部署への異動を命じられます。
業務に失敗すれば直属の上司に名を連ねている雅弘の立場が危うくなる。
そう理解した恵美子は最初の仕事先へと向かいます。
それは、あるマンションに居座っている男がおり、その実態を調査し部屋を明け渡すよう交渉すること。
しかも一人で…。
不安な気持ちで現場へ向かうと犬頭と名乗る探偵があらわれ、協力してくれると言います。
問題の部屋にいた男に交渉をのぞんでみたものの、目の前でドアを閉められてしまいます。
そして次に向かった場所はいわゆる暴力団事務所。
ガラの悪い男たちにむけて犬頭が右腕を振ると、いつの間にか全員床にのびていて…。
まとめ
ちょっと不思議な、人間の常識が通用しない部分もある犬頭が恵美子に下った業務を時に強引に、超人的な力を使って解決していきます。
居座り続ける男、借りる人間が必ず死ぬ、ゴミ屋敷に騒音問題。
様々なトラブルを抱えた物件が登場しますが、表面からは見えない裏側に思いがけない真実が潜んでいるのです。
ハチャメチャな犬頭の、問題物件に関する暗い雰囲気までも吹き飛ばすような明るさと強さが印象的。
彼らの活躍に今後も期待したくなるユーモアミステリーです。
<こんな人におすすめ>
居座りやゴミ屋敷、騒音などの問題物件を解決する物語に興味がある
不思議な力で無理やり問題物件を片付けていく話を読んでみたい
大倉崇裕のファン


いやはやこれは痛快!
犬頭の活躍ぶりが物語の
世界の楽しさを味わわせて
くれるよなあ。

ゴミ屋敷や騒音など
シリアスな問題でもあるけれど
犬頭と恵美子の漫才のような
やりとりが軽快で楽しく
読み進められる物語ね。
ドラマの犬頭役は上川隆也さん。過去にシティーハンターの冴羽獠役もやってましたね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。