こちらは少女雑誌作りに力を
尽くしたある女性の物語よ。
戦前、戦中、戦後?
統制もあったりして
大変な時期だよな。
そうなの。それでも少女たちに
夢を届けようと力を尽くす
スタッフたちの姿を描いているわ。
その時代の雑誌作りの様子も
気になるな。
『彼方の友へ』 伊吹 有喜 (著) 実業之日本社文庫
あらすじ
老人施設で過ごす名倉波津子は、赤いリボンで結ばれた、黒くて小さな箱を手渡された。箱を開けると、チューリップやヒマワリなどの花が一輪ずつ描かれた、色鮮やかなカードが入っていた。波津子の記憶は七十年前へと呼び戻されていく。
憧れの雑誌「少女の友」の編集部で働くことになった波津子
昭和十二年。十七歳の波津子は病を抱える母と二人暮らし。西洋音楽の私塾で、マダムの家事手伝いをしながら、月に二回のレッスンを受けています。マダムが夫を亡くし、実家に帰ることとなり、働き口を求めていた波津子が紹介されたのは、何と憧れの少女雑誌「乙女の友」の主筆・有賀付きの雑用係だったのです。
しかし、有賀主筆は雑用係は不要だと主張します。主筆や編集部に認めてもらおうと必死で働くその姿と波津子の「乙女の友」への強い思いが、彼らを変えていきます。波津子の書いた物語が「乙女の友」へ掲載されるようになった頃、時代は戦争へと歩みを進めていったのです。
まとめ
自由とは言えなかった時代の中、何とかして心が豊かになる、美しいものを友(=読者)へ届けたい。そんな彼らの強く熱い思いが現代の私たちの胸を強く打つのです。感動の波が何度も訪れる物語です。
<こんな人におすすめ>
戦前から戦後にかけての出版に情熱を注いだ人を描く物語を読んでみたい
夢を信じて諦めずに歩み続ける女性を描いた話に興味がある
伊吹 有喜のファン
ああああ…。・゚・(ノД`)・゚・。
いろんな人のいろんな思いが
雑誌には詰まっている…!!
あらゆる世代の人たちに
読んでもらいたい物語ね。
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