小説・人文

イラストブックレビュー

彼女がまいた奇跡で世界は光に包まれる

『まく子』西 加奈子 (著)のイラストブックレビューです。小さな温泉街に住む小学五年生の男子、慧は日々成長して行く女子たちや自分の身体に恐れを感じていた。そんな時に「コズエ」がやってきた。
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マシなほうを選ぶしかない日本の未来とは

『エージェント-巡査長 真行寺弘道』榎本 憲男 (著) のイラストブックレビューです 。令和初の総選挙では、首相の経済政策を批判する、二世議員が率いる新党が大きく議席を伸ばした。飲み屋で起こった、政治の話題から発展した客同士の騒ぎの現場に居合わせた真行寺は、知らぬうちに日本経済の裏側を覗き見るハメに…。
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国を巻き込む演技力を持つ男の運命は

『総理にされた男』中山 七里 (著)のイラストブックレビューです。総理に容姿がそっくりな売れない役者・加納は、官房長官にさらわれた。意識不明の総理の代理をつとめてほしいという依頼に、政治知識など持たない加納は困惑する。
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麦本三歩は不器用であり、幸せの達人でもある

『麦本三歩の好きなもの 第一集』 住野 よる (著) のイラストブックレビューです。図書館に勤める麦本三歩は、喋るときに噛む、よくつまづく、いろいろミスをする。担当の先輩にビシビシと叱られながらも、食べるものを想像すれば幸せな気分になれる。何も起こらない日常の、なんとなく幸せな日々を描く。
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何物でもない自分にヒリつく痛みを感じる季節を描く

『僕はかぐや姫/至高聖所』松村 栄子 (著) のイラストブックレビューです。進学校の女子高で、自らを「僕」と称する文芸部員たち。17歳の魂のゆらぎを鮮烈に描き出す。
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強烈!でもクセになる「取扱注意」な短篇集

『グローバライズ: GLOBARISE』木下 古栗 (著)のイラストブックレビューです。外国人に道案内をする僧侶、駅前の広場で演説する青年に向かって怒鳴る中年男性、回転寿司に訪れたベトナム人が店で見たものなど、緻密な描写で爆発的な瞬間を描く十二篇を収めた短編集。
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泊まれる駅で生まれる 旅先でのひとときのドラマ

『駅に泊まろう!』 豊田 巧 (著) のイラストブックレビューです 。ブラックな居酒屋チェーン店の店長だった桜岡美月は、会社にほとほと嫌気がさし、辞表を叩きつけたあと、東京駅から新幹線のグランクラスへ乗りこみ、到着したのは北海道。祖父から譲り受けたコテージのオーナーとしての新生活がはじまる。
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顕れたイデアが現実の世界で動き出す

『騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)』村上 春樹 (著)のイラストブックレビューです。ある夜、画家である「私」の前に顕れたのは「騎士団長殺し」という題の絵に描かれた人物と同じ姿をした「イデア」だった…。
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いろんな「気づきの瞬間」を描く珠玉の短篇集

『四百三十円の神様』加藤 元 (著)のイラストブックレビューです。牛丼屋のアルバイトをしている岩田。夜明けの時間帯、眠気と闘う岩田のもとへやってきたのは、同じアルバイト仲間の彼女だという派手な女。「助けて」という彼女の願いとは。
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「通じない恐怖」を克明に描き出す短篇集

『他人事』平山 夢明 (著)のイラストブックレビューです。交通事故に遭った男女を襲う「無関心」という名の恐怖を描く代表作、孤独にクラス女性にふりかかる理不尽な災禍ほか理解不能な他人とのやりとりが生み出す恐怖を描いた短編集。