新潮文庫

イラストブックレビュー

顕れたイデアが現実の世界で動き出す

『騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)』村上 春樹 (著)のイラストブックレビューです。ある夜、画家である「私」の前に顕れたのは「騎士団長殺し」という題の絵に描かれた人物と同じ姿をした「イデア」だった…。
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傷心の肖像画家に訪れた不思議な出会い

『騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上)』村上 春樹 (著)のイラストブックレビューです。六年間を共に暮らした妻から別れを切り出された三十六歳の肖像画家は、家を出て放浪の旅へ。がて友人の父親が住んでいた小田原の山荘へ住むことに。
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あなたの見ているモノは本物ですか?そしてあなたは?

『レプリカたちの夜』一條 次郎 (著)のイラストブックレビューです。動物レプリカ工場の中で、動いているシロクマを発見した往本。絶滅したはずの本物か、それとも産業スパイなのか。
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自然の恵みと不思議に溢れる冒険譚

『冬虫夏草』梨木 香歩 (著) のイラストブックレビューです。物書きである綿貫征四郎は、姿を消して数ヶ月になる忠犬ゴローを探すため、鈴鹿の山へ旅に出た。人と、人ならざるものたちが暮らす山で起こる不思議な出来事。
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恐るべき阿呆神と世界四畳半化計画

『四畳半王国見聞録』 森見 登美彦 (著)のイラストブックレビューです。ひたすらに数式を展開し、自分に恋人がいることを証明した数学氏。モザイク先輩に凹氏。阿呆が集まる大日本凡人會が京都を舞台に重要無人に動き回る。
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わたしたちのすぐ傍で息づく懐かしく愛おしい世界

『家守綺譚 』梨木 香歩 (著)のイラストブックレビューです。今からほんの百年前。売れぬ物書きをしていた綿貫征四郎は、亡くなった同級生、高堂の父親から家の守をしてくれないかと頼まれる。喜んで引き受けた征四郎が住みはじめた庭付き二階屋には様々な者たちが現れる。
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「おおあたり」はちょっぴりほろ苦いものもある

『おおあたり』畠中 恵 (著)のイラストブックレビューです。貧乏神の金次が太った男からもらった富札が何と百両以上の大当たり。噂を聞きつけた長屋の者が、近所に酒や料理をふるまえ、と言ってくる。おまけに富札が偽物である疑いも出てきて…。
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仕事をするということ、自分と向き合うということ

『この世にたやすい仕事はない』津村 記久子 (著) のイラストブックレビューです。燃え尽きた状態になって前職をやめ、しばらく休んだあと、とりあえず働こうと思い、紹介してもらった仕事は誰かを「見張る」というものだった…。
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流れていくときと人とを描く15の短編集

『ヴェネツィア便り』北村 薫 (著)のイラストブックレビューです。病に伏せっていた双子の弟が、空襲のさなかで気付いた、自分の出生にまつわること。過去、現代、そしてどこでもない空間。様々な状況で時と人を描く短編集。
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「毒親」の「毒」とは?親を理解できない苦しみを描く

『謎の毒親』姫野 カオルコ (著) のイラストブックレビューです。母の一周忌をすませた週末、光世は大学時代に通っていた文容堂書店へ、数十年ぶりに訪れた。店に貼られていた「城北新報」の相談コーナーへ、自分が両親から受けた様々な行為について相談してみようと思いつく。