のこ
こちらは男性二人、女性一人の
ある夏の出来事を描いた物語よ。
ぬこ
青春てやつだな。
男たちが一人の女を
取り合ったりするのか?
のこ
そうね。そこも衝突するのでなく
微妙な心理の動きが細やかに描かれて
いるわ。
ぬこ
彼らがどんな夏を過ごしたのか。
気になるな。
『きみの鳥はうたえる』 佐藤 泰志 (著) 河出文庫
あらすじ
郊外の書店で働く「僕」は、友人の静雄と暮らしている。そして同じ書店で働く佐知子の3人の若者が、自分に正直に生きる姿を描いた、青春物語。
「僕」は佐知子に声をかけられ、映画を見る約束をするが、すっぽかしてしまう。後日、改めて会い、「僕」の部屋でセックスしているところを同居人の静雄に見られてしまう。そこから3人で酒を飲んだり遊んでいるうちに、彼らの気持ちに変化があらわれ…。
まとめ
無断欠勤に万引き見逃し、所持金なしの「僕」と無職の静雄。世間的にはロクでもない若者のように見えますが、「僕」は静雄を大切にしていて、そして自分の気持ちに誠実にいきています。刹那的なようでいて、世間に飲み込まれないようにひたむきに生きる若者の姿を描いた物語です。
<こんな人におすすめ>
刹那的だが、真摯に生きる若者の話を読みたい
生きることの輝きとその影を描く話を読みたい
佐藤 泰志 のファン
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映画では柄本佑さん、染谷将太さん、石橋静河さんらが共演。実力派ぞろいですね。
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ぬこ
大人からすると「今の若者は」って
言いたくなるけど、彼らも「生きる」ことに
無意識に懸命になっているのが伝わるな。
のこ
熱い熱を有した浮遊感と、それを
失った時の絶望感が迫ってくるように
感じられる物語ね。
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