こちらは、癌で息を引き取った女性が
家族や知人など、様々な人たちと
どのように関わってきたかを描いた物語よ。
自分が癌だと知っていたのか。
どんな生き方をして、どんな風に
人と関わってきたのかな。
人によって彼女の印象は
多少違えど、それでも
魅力たっぷりに描かれていると思うわ。
へえ〜 どんな人物何だろう。
気になるな。
『さざなみのよる』 木皿泉 (著) 河出文庫
あらすじ
ナスミは三姉妹の真ん中。癌になり、43歳で息を引き取る。夫の日出男、姉の鷹子、妹の月子、同居している笑子ばあちゃん。
ナスミの生前から病院で息を引き取った時、そしてナスミがなくなった後、その強い存在感を思い出す、遺された者たち。やがて引き継いでいく新しい命が、ナスミの記憶をつないでいく。
ナスミと周囲の人とのつながりを描いていく
マーケットストア「富士ファミリー」を営むナスミと日出夫の夫婦には子供はおらず、笑子ばあちゃんと三人で暮らしている。若い頃、家を飛び出し、東京で暮らしたこともあるナスミ。
しかし今は、富士ファミリーのレジ前席がお気に入りでもあります。正義感が強く、後輩のために上司を殴るといった熱い一面も。癌になってから、周りの人に投げかけていく言葉は、聞く者の力をフッとゆるませ、心の中にスーッと染みこんでいくような作用があります。
まとめ
遺された者たちの不思議な縁がつながっていき、そこにナスミの場所がきちんとあることに胸が熱くなります。生きてきた足跡をしっかりと残すことでまた人と人がつながっていく。そんな風に感じる物語です。
<こんな人におすすめ>
一人のごく普通の人間が人々の記憶に刻まれていく様を描いた話を読んでみたい
命が繋がっていくということを意識できる話に興味がある
木皿泉のファン
命のつながりを感じる…
ナスミってばいい女…(இдஇ; )
「死」のテーマから「生」が
浮き上がってくるような
物語ね。
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