のこ
こちらは時と人をテーマに
描かれた15篇からなる短編集よ。
ぬこ
時と人?
結構昔の話とか?
のこ
戦時中の話もあれば、現代の話もあり。
時代もシチュエーションも様々ね。
ぬこ
ふうん。時と人の関係性を
感じるのはどんな物語なんだろうな。
『ヴェネツィア便り』 北村 薫 (著) 新潮文庫
あらすじ
病に伏せっていた双子の弟が、空襲のさなかで気付いた、自分の出生にまつわること。定年を迎えた男性が、トイレのつまりを直すべく奮闘し、そして出動する妻を駅まで送る。神社の敷地で、何かがポンと開くような音を聞いた女子学生は、それから体調不良が続く。過去、現代、そしてどこでもない空間。様々な状況で時と人を描く短編集。
さまざまな時間と環境に生きる人びと
双子の兄は頑強で、軍人に。昔からひ弱な自分は本や美しいものを好む。今は鎌倉の別宅で病に伏しているが、自分の出生について思いをめぐらせていると、あることを発見します。今いる世界、環境が自分に合わないと感じながらも自分の存在意義を見いだすのです。また、定年を迎える男性は、同窓会に参加したり、散歩したり、過去を思い出したりしながら過ごしています。そうした中で、今も働く妻のために何か役立とうと考えるのです。
まとめ
感動あり、不思議あり、ちょっぴりホラーあり、とバラエティに富んだラインナップ。時に軽やかなユーモアを交えつつ、時と人との関わりに思いをめぐらせたくなる15の短編集です。
<こんな人におすすめ>
人と時間を描いた物語に興味がある。
戦時中や現代など様々なシチュエーションで描かれた短編集を読んでみたい
北村 薫のファン
リンク
ぬこ
一緒に過ごしてきた時間を
感じる、夫婦のさりげない絆の
描き方がほっこりするなあ。
のこ
過去があり、自分の今が
あるということを、様々な角度で描く
不思議な余韻の残る物語ね。
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