こちらはホーソーン&ホロヴィッツの
シリーズ第五弾よ。6軒の住民が暮らす
穏やかな住宅地で起こった殺人事件に
ホーソーンが挑むのよ。
ほうほう。どんな状況で
起こった事件なんだ?
住宅地で最も大きな邸宅に住む主人が
殺害されたのだけれど、他の5軒の
住民全員に動機があるの。
は!?住民全員が動機あり??
でもアリバイを調べればすぐに
犯人がわかるんじゃないの?
ホーソーンに期待しよう!
『死はすぐそばに』
アンソニー ・ホロヴィッツ(著),山田蘭(翻訳)創元推理文庫
あらすじ
ロンドンのテムズ川沿いに作られた住宅地、リヴァービュー・クロースは6軒の家の住民が穏やかに暮らしている。
ところが新たに越してきたジャイルズ一家はルールを守らず他の住民を不快にさせていた。
ある日、ジャイルズがクロスボウの矢を喉に突き立てられて殺された。
住民全員がジャイルズ殺害の動機を持ち、決定的な証拠に欠ける中、警察は探偵であるホーソーンを招聘する。
ホーソーンがたどりついた真実とは。
住民全員が殺害の動機を持つ事件
大通りから引っ込んだ場所にあり、私道につながるアーチ型の電動門扉を通るとそれぞれに名前がついた6軒の家が建つ住宅地、リヴァービュー・クロース。
住民以外は勝手に出入りできないため、静かで快適な環境で住民同士も穏やかに交流していました。
ところがリヴァービュー館にヘッジファンド・マネージャーであるジャイルズ・ケンワージーとその一家が越してきてから様子が変わります。
夜中に彼らが騒音を起こしたことで、チェスのグランドマスターであるアダムは集中力をそがれ一手をミスしてしまいます。
医師であるトムは何度言っても彼らが私道エリアにはみ出して車を停めるために、トムの車が出せず患者の危機に間に合わなかったことも。
元弁護士のアンドリューはジャイルズの家にあいさつに行ったとき、明らかに差別的な目線を向けられます。
歯科医のロデリックは、病でベッドから動けない妻の唯一の楽しみが、窓から見えるリヴァービュー館の庭の景色なのですが、ここにプールを建設する予定だという事を知り困ってしまいます。
ジャイルズ本人と話し合いの場を持つことになりましたが約束の日にジャイルズが来れなくなり、住民たちはがっかりします。
ところが翌日、ジャイルズは喉にクロスボウの矢が刺さった死体となって発見されます。
クロスボウの持ち主である歯科医のロデリックが犯人かと思われましたが本人は否定しており決定的な証拠も見当たりません。
そこで警察は探偵であるホーソーンの力を借りることに。
まとめ
住民が全員殺害の動機を持ち、なおかつそれぞれ明らかにしていない事情を抱えていたりします。
加えて今回はホロヴィッツがもう一歩ホーソーンの過去に踏み込んでいき、彼の知らなかった一面が明らかに。
多くの登場人物の背景を明確に浮かび上がらせながら本格的なトリックを解いてみせる展開にワクワクし、ホーソーンの一面にドキドキする楽しめること間違いなしのシリーズ第5弾。
<こんな人におすすめ>
高級住宅地で起こった殺人事件の謎を解くミステリを読んでみたい
『ホーソーン&ホロヴィッツ』シリーズのファン
アンソニー ・ホロヴィッツのファン
何とまあ!この関係者たちの意外な過去が
いろいろ出てくるやつ、王道のミステリー
って感じで好きだな〜。それが明らかに
なってなお犯人にびっくりさせられる
ところもさすがだ。
多くの可能性が示唆されては
ひっくり返されたり
ホーソーンの知られざる一面が
垣間見えたりといろんな要素を
楽しめる物語ね。
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