
こちらはクイズ番組の決勝戦で
問題を読む前に回答し正解した
謎について検証していくお話よ。

問題を読む前に正答を出す?
それって事前に番組側から
教えてもらっていたってことか?

その決勝戦で敗れた相手が
番組側や回答者に尋ねるけれど
答えはもらえなかったの。
そこでそんなことが可能なのかを
自分自身で探っていくのよ。

へえ〜。なんだか想像もつかないけど
クイズを極めていく人間には
特別な思考回路があったりするのかな。
『君のクイズ』小川 哲 (著)朝日文庫
あらすじ
クイズ番組の決勝戦へと勝ち進んだ三島は、今日の調子なら勝てる、と感じていた。
ところが、同点で迎えた最終問題に、対戦相手の本庄は司会が問題を発する前に早押しボタンを点灯させる。
誤ってボタンを押したか、と会場中の観客たちが息を呑むなか、本庄の出した答えは何と正解。
本庄は事前に問題を知っていたのか。
番組側からも何も説明を受けることができなかった三島は、「問題を聞かずにクイズの正答を導き出せるのか」を検証する。
問題が出る前に正答を出すことは可能なのか
クイズ番組「Q–1グランプリ」の決勝戦で本庄は問題を読み始める前に回答し、正解。
優勝を飾りました。
何かの不正が行われたのではないか。
そう感じる参加者たちにも番組側からは特に説明もなく、SNS上では本庄ファンによる賞賛の声と、ヤラセではないかと疑う一般視聴者の声がぶつかり合い、炎上。
三日後、番組から演出面で不適切な部分があったが不正は行なっていないこと、番組は次回開催中止、本庄からは優勝辞退の申し出があり、賞金とトロフィーが返還されたことが発表されます。
結局ヤラセだったかどうかははっきりしない状況の中、行きどころのない思いを抱えた三島はある決心をします。
それは「なぜ本庄絆は第一回『Q-1グランプリ』の最終問題において、1文字も読まれていないクイズに正当できたのか?」というクイズを解くこと。
まとめ
クイズを極めている人々には、正解へたどりつくための脳回路ができています。
日々の目にしたものや思いついたものが全てクイズの問題と回答につながっていくのです。
長年クイズ脳を鍛えてきた北島は、記憶力などは良いもののクイズの技術についてはまだ荒削りだった本庄が最後の問題で叩き出した正解は、果たして可能なのかを探りはじめます。
本庄が出演してきた番組を細やかにチェックし、そしてある結論を導き出すのです。
神経をとぎすまし、あらゆる知識を総動員しながら回答につなげていくクイズ脳のすごさと、それに挑む者たちのストイックさに驚く、圧巻のエンターテイメント小説です。
<こんな人におすすめ>
問題を読む前にクイズの答えがわかるかを推理した物語に興味がある
クイズを解くために思考回路を作っていく回答者の話を読んでみたい
小川 哲のファン


すごいな。まさに『クイズ脳』!
そんな脳を持つものにしか
理解できない世界を垣間見ることが
できるのがすごい。

膨大なクイズのための情報が
場の流れや展開で予測し
回答へとつながっていく。
そんなクイズの面白さと深さを
うかがい知ることができる物語ね。
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