こちらは江戸の時代、
不眠に悩む人々を看てくれる
医者を描いた物語よ。
江戸時代?
電気もないし、みんな
ぐっすり寝てるんじゃないの?
いろんな事情を抱えて
眠れなくなってしまった人々も
いるの。
心の問題も関係しているってことか。
どんな治療をするのか、気になるな!
『猫まくら 眠り医者ぐっすり庵』 泉 ゆたか (著) 実業之日本社文庫
あらすじ
茶問屋の娘として育った藍は、相次いで両親を亡くし、眠れぬ日々が続いていた。
蘭学を学ぶために長崎へ行った兄とは音信不通に。
ある時、藍は猫のねうに導かれ古びた小屋にたどり着く。
そっと中を伺ってみると、そこには身体を丸めて眠っている兄の姿が。
そして人目を避けるようにして、眠れない人々を看る養生所を開くことになったのだが。
眠りを看る「ぐっすり庵」には眠りについて様々な悩みを抱える人々がやってきます。
寝ずに働く店主、父との関係がうまくいかない少年、別れた夫の幽霊を見るという女性。
兄の松次郎は藍を助手として彼らを見立てていきます。
松次郎の見立てに納得したり反発したりしながら、黒と白の猫、ねうの助けもあり、己の中に刺さった棘のような問題に、患者たちは気づいていくのです。
やがて呑気に見える兄、松次郎も何やらやっかいな問題を抱えているようで…。
まとめ
自分の気持ちをおさえつけたり、相手の良いところが見えなくなったり。
そんな無理が眠りに影響を及ぼしてしまった患者たち。
眠りは生きるために大切なことであり、明日への自分を育てることでもあるのです。
眠りを手にすることで力を得た彼らは、現代を生きる私たちに、眠りと、生きていく力を得る大切さを教えてくれるのです。
<こんな人におすすめ>
江戸時代の「不眠」をどう解決するのか興味がある
眠りと生き方について描いた物語を読んでみたい
泉 ゆたかのファン
猫のねうがいい仕事してるな!!
不眠の奥にある「本当の問題」に
自分で気づいていくことが大切よね。
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