こちらは「ブランケット・シティ」という
街について描かれた物語よ。
ほほう。ブランケット・シティって
どんな街なんだ?
「毛布をかぶった臆病者の街」と
呼ばれているのだけど。そのおかげで
火事が少ないの。あとはロビーしかない
ホテルや不思議な街頭芝居、本に会う酒を
出してくれる店などもあるわね。
へ〜 なんだか楽しそう。
ワクワクしてくるな!
『ブランケット・ブルームの星型乗車券 』
吉田 篤弘 (著) 幻冬舎文庫
あらすじ
ようこそ、毛布をかぶった街、ブランケット・シティへ。
この街で生まれ育った二十七歳の青年、ブランケット・ブルームが、彼の視点で街についてコラムを描きます。
世界一仕事の少ない消防夫、ロビーしか存在しないホテル、始まりも終わりも、観客か俳優かもわからない街頭芝居…。
あなたもこの街に遊びに来ませんか?
ときに「毛布をかぶった臆病者の街」と揶揄されることもあるブランケット・シティ。
しかし、その慎重さのおかげで「世界一火事の少ない街」となっています。そんな街で「世界一仕事の少ない消防夫」たちはどうしているかというと、コーラス・グループとしての実績を重ね、開催されるコンサートは盛況なのだとか。
また、「グラスト本」という酒屋は本好きのために酒を用意しています。
棚に並んだ本に見合ったお酒を出してくれるのです。
そして、かつて存在していた老舗ホテル「バビロン」。
この廃業したホテルはロビーだけが残され、なんとフロント・マンやポーターも存在しています。
人々が待ち合わせ、出会う。ここはそんな場所であり続けるのです。
まとめ
ちょっと不思議な架空の街での出来事。
そこは力の抜けた大人の遊び心と、スパイスのようにファンタジーがふりかけられた世界です。
深夜の静かな時間、飲み物を片手にゆったりと楽しみたい物語です。
<こんな人におすすめ>
大人のファンタジーを読みたい
心の奥をそっと刺激されるような、もうひとつの世界に興味がある
吉田 篤弘 のファン
どこかにありそうな「もうひとつの世界」。
ゆったりした空気に癒されるなあ。
お酒を片手にじっくりと楽しみたい、
上質な大人のファンタジーね。
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