講談社文庫

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『不可逆少年』五十嵐 律人 (著)

狐の面を被った十三歳の少女が三人の成人男性を殺害し、一人の女子高生に重傷を負わせたフォックス事件は、日本中を震撼させた。家庭裁判所調査官の瀬良真昼はこのフォックス事件を扱う青葉家庭裁判所で働いている。フォックス事件を担当した前任者は辞職したという。真昼は女子高生の黒髪をハサミで切り落とすという犯罪を起こした男子高校生、佐原漠の担当になる。彼の父親はフォックス事件で殺害された成人男性の一人だった。
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『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』内田 樹 (著)

日本の子どもたちの勉強時間の減少、学力の低下が問題となって久しい。こうした問題を招いた原因は何なのか。「自己決定論」における解釈の誤り、「格差」の正体、そして「学ぶ」ことの意味とは。子どもたちの教育から現代につながっていく問題を解き明かす驚愕の教育論。
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『留子さんの婚活』小原 周子 (著)

今年四十五歳になる息子・秋之のために親の婚活パーティーへと通い続ける米倉留子。三歳になる孫の隼人、そして自分と同居とはなるが、一刻も早く嫁に来てもらいたい…。留子一人で参加するせいか、なかなかうまく話は進まない。しかし、あるパーティーで家事手伝いをしている四十九歳の娘の父・川野幸三に出会う。彼女を息子の嫁にしたい!と考える留子だが、幸三は留子に一目惚れしてしまう。
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『愛されなくても別に』武田 綾乃 (著)

大学生の宮田陽彩は母親と二人暮らし。学費と家に入れるお金を稼ぐため毎日コンビニでアルバイトをしている。浪費家の母親の顔色を伺いながら家で生活し、友人もなく、遊ぶ時間もない、そんな日々を送る陽彩の日常は、父親が殺人犯と噂される同級生・江永雅と出会ったことで劇的に変化する。苦しみの中から人生に大切なものを選びとっていく若者たちの姿を描く物語。
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『福猫屋 お佐和のねこわずらい』三國 青葉 (著)

麦湯やおはぎを味わいながら、猫をなでたり、じゃらしで遊んでみたり。お佐和が始めた江戸の猫茶屋「福猫屋」を常連客もつき、小物類の販売も順調。そんな中、常連客の武家・権兵衛と花津という女子が、猫好きが高じて言い争いに。以来花津のことが気にかかる権兵衛だが彼女のことが何ひとつわからない。彼女が再び福猫屋に現れるのを待つ権兵衛だが。
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『まりも日記』真梨幸子 (著)

46歳独身、去年の年収は200万以下。そんな私は動物を飼うことには慎重になっていたのだが、ある日運命の出会いを果たしてしまった。それは生後8ヶ月のブリティッシュショートヘアの雌猫。「まりも」と名付けた藍猫との満たされた生活が始まると心浮き立つ私。そしてまりももまた、激動の猫生の幕開けとなったのだった。猫に魅入られた人間側、そして猫の側、二つの視点から描かれる戦慄のネコミス。
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『正欲』朝井リョウ (著)

私立小学校に合格したが不登校になってしまった息子の父親であり、検事である寺井啓喜。男性恐怖症だが、怖さを感じない男性の存在に心ときめく女子大生・神戸八重子。ある秘密を抱えなるべく人と関わらないようにしていたが、同窓会で気になっていた同級生と遭遇した契約社員・桐生夏月。多様性を主張しながら踏み込んでこようとする世間や周囲から逃れることもできず、苦しみながらも生きる道を模索していくそれぞれの姿を描く。
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『薔薇のなかの蛇』恩田陸 (著)

父親の招集により、ブラックローズハウスへとやってきたアーサーと弟のデイヴ。親戚や妹の友人たちまでも招待されたパーティーで、父は一族に伝わる「聖杯」を披露するらしい。近隣で起こった四肢切断遺体遺棄事件の噂が囁かれる中、屋敷の敷地内で第二の切断遺体が発見される。英国留学中のリセはパーティーに集まった人々やレミントン家一族らと交流しながら事件の謎に挑む。
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『今度生まれたら』内館 牧子 (著)

佐川夏江は、己の年齢を目にしてショックを受ける。同年代でもなお一線で活躍し続ける女性もいる中、自分の可能性を生かすことなく七十という取り返しのつかない年齢になってしまった。これまでの生き様を振り返りつつ、少しでも人生をやり直そうと夏江はあがく。
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『ポトスライムの舟』津村 記久子 (著)

時間を金で売っているような気がする。そう感じながら薄給の工場勤務を続ける29歳のナガセ。ある日、工場の掲示板に貼ってある、あるNGOが主催する世界一周クルージングのポスターが目についた。その参加費費用、163万円がこの工場の年間の手取りとほぼ同額であることに気づいたナガセは、その金額を貯めようと決意する。