小説・人文

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『ちびねこ亭の思い出ごはん たび猫とあの日の唐揚げ』高橋由太 (著)

海沿いの白い貝殻を敷きつめた小道の先にあるちびねこ亭。死者と会うことができるこの店には様々な客がやってくる。恋人を亡くした男性、幼い息子と義母を亡くし、夫までもが危険な状態となってしまった女性。思い出ごはんを目にした彼らは大切な人に何を伝えるのか。
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『f植物園の巣穴 』梨木 香歩 (著)

f植物園の園丁をしている私は、歯の痛みに耐えかねて歯医者へとやってきた。薬歯医者の家内は前世が犬だったのだと言う。職場であるf植物園にある大きな木のうろに落ちた私は、気がつくと住まいに戻っていたが、落ちてからの記憶がない。失くした履き物、妻との思い出、子供の頃の記憶と歯の痛みが私を穴の底の世界へと誘う。
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『純喫茶パオーン 』椰月 美智子 (著)

「純喫茶パオーン」は、ドリンク担当のおじいちゃんと、料理担当のおばあちゃんの二人でやっている喫茶店。孫の「ぼく」がお店を手伝ったり、おじいちゃんの特製ドリンクやおばあちゃんの最高のナポリタンを堪能しながら、お客さんたちとの出会いや、不思議な事件を描く。
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『独り舞』李 琴峰 (著)

台湾の田舎ではあるがごく普通の家庭で生まれ育った迎梅。小学生の頃、初恋の女の子が亡くなり、死への想いが胸にとりまくようになった迎梅はレズビアンとしての疎外感にも苛まれていた。高校時代の淡い恋や癒えることのない傷。日本へ渡り、名を変え、別人として生きようとする彼女を苦しめ続けるものとは。
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『一橋桐子(76)の犯罪日記』原田ひ香(著)

パートをしながら一人で両親の介護をしてきた76歳の桐子。両親を看取り収入は年金とパートの清掃のみ。孤独死にでもなれば周囲に迷惑がかかる。そんなある日、高齢受刑者が刑務所で介護されている姿をテレビで目にした桐子。これだ!と感じた桐子は刑務所に入ることのできる犯罪を模索する。
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『マジカルグランマ』柚木 麻子 (著)

元女優で75歳の正子は、夫と家庭内別居状態。離婚資金を貯めるために参加したCMのオーディションに見事合格し、仕事も入りはじめる。しかし、その流れを止めるような出来事が起こり、また困窮する生活が…。映画監督を目指している若い娘、杏奈や近所の住民らとともに、正子は人生の逆転をはかるが…。
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『最果てアーケード』 小川洋子 (著)

狭い通路のほんの数十メートル先は行き止まり。その通路沿いに数件の店が並ぶ、世界で一番小さなアーケード。それぞれの店が取り扱うのは使い古しのレース、義眼など、一体誰が何のために買うのか?と思うような品たち。店を必要とする客がやってくるのをひっそりと待ち続けている。
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『キネマトグラフィカ』古内 一絵 (著)

老舗の映画会社、銀都活劇に入社した6人の男女たち。「平成元年組」と呼ばれた彼らは、地方の映画館で再開。26年前、ローカルセールスをしていた彼らが手持ちで担当エリアの映画館へフィルムを運んだ「フィルムリレー」に思いをめぐらせる。時を経た今、あの頃目指した自分になれているのだろうか。
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『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』デボラ・インストール (著)

元ダメ男ベン、妻のエイミー、娘のボニーとロボットのタングのチェンバーズ一家は、長かったパンデミックを終え、ようやく一息つけるかと思っていたが…。タングの学校問題や、ボニーが挑んだ一大イベントなど次から次へと問題が起こる慌ただしい日々の中で、タングは自分の夢に向かった新たな一歩を踏み出す。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー『姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―』宇能鴻一郎 (著)

煙と客に満ちたモツ焼き屋で隣に座った虚無僧。酔っていた私は彼に、モツ焼き屋で内臓を喰うたびに感じていたことを話したくなった。無僧は「その通りです」と理解を示し、己のことについて話しはじめた(「姫君を喰う話」)。追いつめられた人間と彼らの生きる背景が迫力ある筆致で描かれる全6編。