講談社文庫

イラストブックレビュー

言葉にできないものを言葉にしてくれるエッセイ

『二度寝とは、遠くにありて想うもの』津村 記久子 (著)のイラストブックレビューです。国籍を問わず道を尋ねられる「道訊かれ顔」を持ち、布団が好きすぎるあまりついには話しかけ、「いい年」という言葉に萎縮する。庶民派・芥川作家が綴る、味わい深い日常エッセイ。
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数理論理学で推理を「検証」すると・・・?

『恋と禁忌の述語論理』井上 真偽 (著)のイラストブックレビューです。女子会で起こった事件は、果たして事故か、殺人か。そして、その犯人は?大学生の森帖詠彦と母方の叔母の硯(すずり)は数理論理学を用いて「毒殺」か、「事故死」かを証明することができるのか。
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天才ミステリー作家が「被害者」を解き明かす

『被害者は誰?』貫井 徳郎 (著) のイラストブックレビューです。豪邸の庭に埋められていた白骨死体は誰なのか。警視庁の桂島刑事が向かったのは、大学の先輩であり、その端麗な容姿と優れた頭脳で人気のミステリー作家、吉祥院慶彦のマンション。
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その場所はとても遠く感じるが近くにあるのかもしれない

『やがて海へと届く』彩瀬 まる (著)のイラストブックレビューです。真奈の親友であるすみれは、ひとり旅に出かけた先で震災に遭い、消息を絶った。三年がたち、すみれの恋人、遠野から「形見分けをしたい」と切り出され、反感を覚える真奈だが。
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糖質は悪!?料理研究家VS大手企業の結果は

『甘い罠』鏑木 蓮 (著)のイラストブックレビューです。ヘタなタレントよりも美しい容姿を持つ、料理研究家の水谷有明は、和食レストランチェーンのメニュー監修を依頼された。糖質制限食を中心にしようとしたところ、社長と意見が真っ向から対立。
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軽快なリズムが心地いい ライトミステリ短篇集

『シュークリーム・パニック』倉知 淳 (著)のイラストブックレビューです。メタボを克服するための体質改善セミナーに参加した4人の中年男性。絶食を強いられた過酷な環境の中、インストラクターが買ったシュークリームが紛失。犯人はいったい誰なのか。
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壁の内側は静かな美しさに満ちた世界だった

『琥珀のまたたき』小川 洋子 (著) のイラストブックレビューです。次女が死んだのは魔犬の呪いだと話すママと、パパが遺した別荘で暮らし始めた長女のオパール、長男の琥珀、瑪瑙の三きょうだい。沢山の図鑑やお話、音楽に彩られた日々は幸福に過ぎていく。
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その人生は、地下鉄とつながっていた

『おもかげ』浅田 次郎 (著)のイラストブックレビューです。定年を迎えた竹脇正一は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ、意識を失った。昏睡状態の中、竹脇の心は病院の外へとさまよい出す。地下鉄に乗って、様々な時代の、様々な場所へ。
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震災後の「もうひとつの日本」の姿を描く物語

『献灯使』多和田 葉子 (著)のイラストブックレビューです。大災厄に見舞われた後、外来語も自動車もインターネットもなくなり、鎖国状態となってしまった日本。義郎の曾孫である無名が「献灯使」として日本から旅立つことになった。
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時代と人の重なりを美しい表現で描く物語

『冥途あり』長野 まゆみ (著)のイラストブックレビューです。東京の下町で生まれ、実直な文字職人としてその生涯を終えたはずの父。しかし、亡くなった後、親族との会話から、父の意外な一面を知る。遠き日の昭和の風景とともに、一族の歩んできた道を描く物語。