のこ
こちらは、死んだ後に
なにかのモノにとりつく
お話よ。
ぬこ
人じゃなくて、モノに
とりつくのか??
のこ
そう。
野球のロージンバッグとか、
補聴器とか…
ぬこ
へえ〜
モノから見える世界って
いったいどんな風なんだろうな?
『とりつくしま』 東 直子 (著) ちくま文庫
あらすじ
死んだあなたに「とりつくしま係」が問いかけます。あなたはこの世にあるなにかのモノにとりつくことができます。モノになってもう一度、この世を体験することができるのです、と。そうして母は息子のロージンバッグに、娘は母の補聴器に、夫は妻の日記になった…。モノの目線から自分の人生を再度振り返る、ちょっぴりおかしくて、そしてせつなくもある短編小説集。
死んだあと、魂の状態でさまよっていると「とりつくしま係」に声をかけられます。希望したモノにとりつくことができるのだと言うのです。ロージンバッグの粉を希望した母は、息子の野球の試合で意識が戻ります。ピッチャーの息子がロージンバッグを手にした時だけ、息子の表情を見、その姿を感じることができるのです。
まとめ
突然死んでしまった大切な人は、身近なモノに姿を変え、私たちを見守ってくれているのかもしれない。そんな温かな気持ちになる物語です。
<こんな人におすすめ>
死んだ後にどうなるか興味がある
ちょっぴり笑えて、泣けて、心が温まる話を読みたい
東 直子のファン
リンク
ぬこ
なるほどねえ。そうやって
遺してきた気になる人の
そばにいるわけだ。
のこ
そうなの。でも、モノだから
自分の意思で動いたり、相手に
関わることができないのが
もどかしくて切なくもあるわね。
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