こちらは前作『人面瘡探偵』に
続く第二弾よ。仁銘島へと
やってきた六兵は相続人が
殺される事件に遭遇するの。
今度は島か！まさにクローズド
サークルだな。人間関係も
当然複雑なんだろうな？
亡くなったのは島のほとんどの
土地を所有する村長。息子たちは
過去の女性関係による因縁関係から
犬猿の仲なの。離婚して幼い息子を
連れて出戻った娘もいるわ。
おお〜 なんだかドロドロ
していそうだなあ。
今回も人面瘡のジンさんは
鋭い推理を見せてくれるんだろうか。
『人面島』中山 七里 (著) 小学館文庫
あらすじ
ポンコツ相続鑑定士の三津木六兵は仕事で仁銘島へとやってきた。
人の顔のように見えるこの島は「人面島」とも呼ばれている。
島のほとんどの土地を所有する村長の鴇川行平が死亡し、財産の鑑定を行うためにやってきたのだが、相続人である匠太郎と範次郎の兄弟は過去の女性絡みの因縁があり、以来犬猿の仲に。
そんな中で行われた宮司の継承式の最中、匠太郎が密室の中死体となって発見される。
切れ者で毒舌、六兵の肩に棲む人面瘡のジンさんは謎を解くことができるのか。
隠れキリシタンの財宝が眠る島で起こる殺人事件
島の土地を所有し実権を握り、島内で権力を持つ者のいがみ合いを抑えていた鴇川行平が亡くなり、その財産を調べるために人面島へとやってきた六平。
観光資源も宿泊施設もない小さな島ですが隠れキリシタンがその昔財宝をどこかに隠したという言い伝えもあり、事実であれば島や財産の価値がはねあがります。
相続人は行平の二人の息子、兄の匠太郎と弟の範次郎ですが、匠太郎は女癖が悪く、範次郎の妻に手を出したことも、狭い島であっという間に噂になり、何故か人の夫を誘惑したと悪者にされた範次郎の妻は自ら命を絶ってしまいます。
兄弟の仲は最悪の状態ですが、それぞれに息子の公一郎と娘の雛乃がおあり、学生の彼らはいがみあう親たちを冷ややかな目で眺めています。
そんな中、宮司を務める祖父から宮司を継承することになった匠太郎は、親族や六兵が参加した継承式の最中に何者かによって殺害されてしまったのです。
現場は密室の状態で…。
まとめ
兄弟の因縁、島内の権力をめぐるいざこざ、まことしやかに語られるどこかに眠る財宝。
何か起こるしかない状況がこれでもかとぎっしりと詰まっており、感情と思惑のぶつかり合いや腹の探り合いが不穏な空気を増し、緊張感が高まったところで起こる密室殺人事件。
「人の不幸は蜜の味」とのたまう人面瘡ジンさんが六兵をボロクソにののしりながら、事件の解決への道を探っていきます。
クライマックスの展開がまたドラマチックで映画で見たくなるくらい印象的で読み甲斐があり、満足度の高いシリーズ第二弾です。
＜こんな人におすすめ＞
隠れキリシタンの財宝伝説が残る島の相続をめぐる事件を描いたミステリを読みたい
前作『人面瘡探偵』を読んだ
中山 七里のファン
これ映画にするの大変だろうなあ。
でもちょっと見てみたい。
ジンさんはやっぱり鶴太郎で。
血のつながりや土地に縛られた
逃れられない運命に苦しむ
人々の姿が胸に迫るミステリね。
前作『人面瘡探偵』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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