新潮文庫

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『火山のふもとで』松家 仁之 (著)

大学を卒業し、村井設計事務所へと入所した坂西徹。時代が移っても変わらぬ美しさを持ち、使い勝手の良い建物を生み出す先生のもとで、事務所のメンバーたちとともに北浅間の「夏の家」に移動しコンペの作業へ集中していた。浅間山のふもとでのかけがえのない日々を美しく描き出す物語。
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『しろがねの葉』千早 茜 (著)

貧しい村から一家で逃げ出す途中に、父母と生き別れとなった少女ウメは、銀の気が視えると謳われた稀代の山師・喜兵衛に拾われ、石見銀山の坑道で働きはじめる。男たちの活躍を支えていたウメだったが、彼らの体が蝕まれていくことをどうすることもできなかった。
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『ようこそ地球さん』星 新一 (著)

タイムマシンを作り、生き抜く方法を探しに過去へ向かう男。謎の飛行物体に乗った宇宙人は友好的で地球人たちは喜んでもてなしたのだが。宇宙、未来、異生物。人類を襲う様々な悲喜劇をユーモアあふれる筆致で描く42篇のショートショート。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー『工場』小山田 浩子 (著)

兄が持ってきた求人票、「工場で正社員募集若干名。大卒以上」に応募した牛山佳子は契約社員として採用された印刷課分室で働くことに。敷地内に住居や店までも存在する巨大な工場での仕事は何の目的があるのかわからない。日常の作業と夢想が混ざり合う表題作と他二篇を収めた物語。
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『いつまで』畠中 恵 (著)

行方不明になった場久を助けるために夢の中へと飛び込んだ若だんな。目が覚めるとそこは何と五年の時が経った江戸だった。さらに危機的状況へと陥っている長崎屋を、若旦那は救うことができるのか。長編作品となった人気シリーズ第22弾。
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『遠野物語』柳田国男 (著)

現在の岩手県遠野市周辺にあたる遠野郷。この地域に伝わる民間信仰や異聞怪談に魅せられた著者が現地を訪れ地元の住民が語る話をまとめあげていく。語り手と聞き手が溶け合っていく民族学の名著にして郷愁を呼び起こす、唯一の物語。
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『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈 (著)

中学二年生の成瀬あかりは、幼馴染の島崎みゆきに向かって宣言した。「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。閉店を間近に迎えた西武大津店に夏休みの間毎日通い、地元のローカル番組の中継に映り己の姿を残すのだと言う。破天荒でありながらもなぜかその姿から目がはなせない主人公、成瀬の活躍を描く。
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『あの子とQ』万城目 学 (著)

十七歳の誕生日まであと十日となった朝。弓子は自分である物体『Q』と遭遇する。吸血鬼一族の娘として生まれながらも一度も人間の血を吸ったことのない弓子。脱・吸血鬼化の儀式に参加資格があるかを監視するためにQはやってきたと言う。誕生日を迎えるその日まで弓子は人間の血を吸わずに過ごすことができるのか。
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『街とその不確かな壁(下巻)』村上春樹 (著)

勤めていた会社を辞め、町の小さな図書館の館長として働き始めた私は、前館長の子易さんに様々なことを問いかける。孤独や悲しみ、そして街や影の存在を。ある日、私の前に一人の少年があらわれる。彼は影を捨てて壁の内側にある街へ行きたいのだというが…。
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『街とその不確かな壁(上巻)』村上春樹 (著)

十七歳のぼくに、ひとつ年下のきみはその街のことを教えてくれた。夏の夕方、川べりに腰を下ろし「本当のわたしが生きて暮らしているのは、高い壁に囲まれたその街の中なの」と話すきみはある時突然に姿を消した。その街に入りたいと、どれほど強くぼくは望んだことだろう。そこで本当にきみに会いたいと。