こちらは「しゃばけ」シリーズ
第21弾よ。若だんなは
妖狐からあるお願いをされるの。
妖狐が人間である若だんなに
何をお願いするっていうんだ?
小さな妖狐の笹丸を連れて
いたのだけれどこの子の
ために若だんなの祖母がいる
神の庭で暮らせないかというの。
ああ、大妖おぎんがいるところか。
小さな妖狐が行けるような場所なのか?
それに若だんなにそんなお願いしたら
兄やたちもキレそうだけど…。
『こいごころ』畠中 恵 (著)新潮文庫
あらすじ
江戸の大店、長崎屋の若だんながいつものように熱を出して休んでいると妖狐の老々丸と笹丸がやってきて、妖の力が尽きかけている笹丸に力を貸してくれないか、と言う。
名僧・寛朝の力を借りて協力しようとするものの、そこでは化け狸にまつわる別の事件が待っていて…。
若だんなが妖狐からされた「お願い」とは
闇の中から寝ている若だんなのもとに現れた妖狐の老々丸。
横にいる小さな笹丸が妖力が尽きかけているため、若だんなの祖母である大妖・おぎんがいる神の庭で暮らせるようにしてほしい、と言います。
ところがおぎんは出かけていて連絡を取ることもできません。
そこへ異変を察知した悪夢を食う獏、場久が現れ、妖狐二人を立ち去らせるよう若だんなを説得。
その向こうに仁吉と佐助、二人の兄やの怒りを買うことを理解した若だんなですが、かといって妖狐を見捨てることもできません。
悩む若だんなの目の前に光が漏れ出てどこかへ引っ張られます。
夢の裂け目から放り出された若だんなは見知らぬ場所で目を覚まし、目の前では背の高い男と幼子の髪型をした小さな子が心配そうに自分を見つめています。
人間の姿に化けた彼らとともに長崎やへ帰る手段を見つけるため、ひとまず広徳寺を目指します。
するとその道中で化け狸と寛朝の弟子である秋英に遭遇。
事情を話すと、自分もこの化け狸のことで困っており寛朝に助けてもらうために広徳寺へ向かうと言うのですが…。
まとめ
広徳寺の大事な印鑑を飲み込んでしまったという化け狸。
印が出てくるまで待とうという寛朝に対し、腹を裂いて出せという僧たちも出てきたため、狸は逃げ出しますがつかまり寺へと戻ります。
一方、若だんなを心配して駆けつけた兄やたちも妖狐へ怒りを向けるかと思いきや、そううした様子はなく若だんなは疑問を感じます。
そこでその理由を問うたところ、思いがけない答えが返ってきたのです。
人間とは異なり多くの時を生きる妖の命。
その彼らが最期を迎える時に何を思い、また周囲の妖たちが何を感じるのか。
彼らのその思いやりが優しく切なく心に迫るシリーズ第21弾です。
<こんな人におすすめ>
江戸の妖と人とのやるせなさや切ない思い、出会いと命の有り難さを描いた物語を読んでみたい
『しゃばけ』シリーズのファン
畠中 恵のファン
笹丸うぅ〜〜。・゚・(ノД`)・゚・。
ここにやってきた理由が…
せつなすぎるうぅぅ
妖たちの死生観や、やさしさが
読者の心に染み込んでくる
物語ね。
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